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あなたもチャレンジ! 家庭菜園

板木技術士事務所●板木利隆
JA広報通信より

 2010年度   4月 ナスの健康診断のすすめ
    5月 セルリー栽培のポイント
    6月 カリフラワーのまきどきと苗作り
    7月 ハクサイ作り成功のポイント
    8月 中国野菜の立役者チンゲンサイ 
    9月 耐寒性が強く冬に重宝する小松菜
   10月 タマネギの植えつけと作業のコツ
   11月 結球ハクサイの収穫と防寒対策
 12月 冬の間にしっかりと土づくりを
 1月 トンネル保温で早取りコカブを
  2月 春夏野菜の種まき好適シーズンの到来
  3月 作付け前の畑の準備
 2011年度   4月 購入苗の上手な見分け方、使い方
    5月 家庭菜園の日々の管理
    6月 施肥のポイント
    7月 病害虫の防除と農薬の上手な使い方
    8月 間引き、整枝、摘葉
    9月 フィルムマルチ、敷きわらの基礎
   10月 防寒、防風対策
   11月  土づくりのポイント
   12月 連作障害を防ぐ
    1月 余った種子の貯蔵法
   2月  新しい魅力の野菜に挑戦 新顔、面白品種、地方野菜

 


ナスの健康診断のすすめ

   皐月(さつき)の日差しを受けて、ナスは紫黒で形ぞろいの良い果実が連続して収穫できるようになります。しかし次第に株の勢いが弱まり、実どまりが悪く収穫が減って、品質も悪くなってきます。
 それは、「成り疲れ」で育ちが不調になってきたからです。
 私たちが人の顔色やしぐさを見れば、お互いの健康状態を推測できるように、ナスの健康状態も、草姿や葉色、花などをよく見れば、早期に判断することができます。
 ナスの健康のバロメーターは、図のように、花のつく位置と花の形、葉や花の大きさと色具合です。特に、雌しべが雄しべより短い「短花柱花」が現れると、これらはほとんど実どまりせず、落花してしまいます。
 昔のことわざに「ナスの花には千に一つのあだがない」といわれたのは、雌雄同花で、雄花・雌花の区別がないことと、比較的よく着果するためです。実際には、下手をすると一生のうち、3〜4割以上も落果してしまうのです。
 不健康の症状をできるだけ早く発見し、早めに対策を講じておけば、落花や不良果の発生を軽減でき、良果多収を達成することができます。
 対策としては、まず果実を若取りして、株の負担を軽くすることです。同時に追肥で栄養を補給し、硬くなった通路付近の根が伸びる場所にくわを入れて通気を良くし、乾いていたらかん水や、敷わらをします。
 こうすれば数日を経ずして草勢に回復の兆しが現れ、健全な長花柱花が多く咲くようになるでしょう。茎葉もしっかりして、開花位置より上に、数枚以上の開いた葉が見られるようになってきます。こうなればよく実どまりし、果実の太りも早まって、色つやの良い果実がたくさん取れるようになります。
 「成り疲れ」はナスの一生のうちに3〜5回も現れるので、常に観察を怠らないで、適切な対策を講じてください。  生育盛りに入り、茎葉が込み過ぎると、日射不足のため果色が悪くなり、病害虫も発生しやすくなります。そのため、果実に木漏れ日が当たるぐらいに枝を整理したり、摘葉したりすることも大切です。また、アブラムシ、スリップス、場所によっては大敵のチャノホコリダニなどの薬剤散布も欠かせません。
 
 
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 セルリー栽培のポイント

   セルリーはセロリとも呼ばれます。ビタミンC、B群やミネラル類、カロテンなどを含み、繊維質にも富む健康野菜です。独特な強い芳香の精油成分には、精神を安定させる作用があるそうです。この香りとさわやかな歯応えで、サラダや肉料理に大変人気があります。
 その割に、家庭菜園ではあまり取り入れられていません。それはほかの葉茎菜類とはかなり異なった性質があり、一般的な栽培管理ではあまり良い品質のものが得られないからです。
 具体的には、(1)初期生育が遅く、高温に比較的弱いため育苗管理が難しく、健全な大苗が得られないこと、(2)繊細な根の性質に応える畑の条件にすることが難しく、多肥、多水分を好むセルリーのための施肥やかん水がうまく行われていないことなどが理由です。
 セルリーを上手に育てるためには、(1)高温下での昇温防止による上手な育苗管理、(2)良質な完熟堆肥(たいひ)と肥料を施した本畑作り、(3)植えつけ後の入念なかん水管理と十分な追肥などがポイントになります。
 まず、品種は淡緑系で育てやすい「トップセラー」、「コーネル」などを選び、5月下旬〜6月中旬に図のように育苗箱に条まきし、本葉2〜3枚のころ苗床に移植し、べた掛け資材や遮光ネットなどで被覆し、入念なかん水管理により育てます。
 本畑は早めに石灰を施して耕しておき、元肥として堆肥、油かす、化成肥料をベッド全面に施し、20〜25cmの深さによく耕し込んでおきます。
 苗が本葉6〜7枚になったころ、排水のことを考え、やや高めに作ったベッドに、40cm×35cm間隔ぐらいに植えつけます。植えつけ後はベッド全面に敷きわらをし、水分不足にならないよう気をつけて、かん水を入念に行います。ほかの葉菜類よりも水分をかなり多く必要とすることを念頭に置いて管理することが大切です。
 秋に入ると生育が盛んになるので、ベッドの両側に油かすと化成肥料を15〜20日間隔で3〜4回追肥し、ベッドに土を寄せ上げます

 脇芽が伸びてきたらかき取り、外の枯れ葉は適宜取り除きます。害虫は早期発見に努め、遅れずに薬剤散布して防ぐことも非常に大切です。
 
 
 
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カリフラワーのまきどきと苗作り

 早くから人々に親しまれながら、仲間のブロッコリーに押されて消費は減少気味でしたが、最近は見直されて人気も回復傾向です。色の白さと歯触りが身上ですが、黄緑、紫色などの品種も加わり、用途も和・洋・中と広がって、育てる楽しみも多くなってきました。
 種まきの適期は7月中旬〜8月上旬(関東南部以西の平たん地の場合)ですが、暖地では遅めの7月下旬からにします。
 品種の早晩生の違いは極めて大きく、極早生では定植後45〜50日、中早生は65〜75日、晩生では90〜100日余りかかるので、よく調べて品種を選びましょう。早取りを狙うには極早生を選び、まきどきを7月上旬に繰り上げます。
 種まきは育苗箱に条まきし、本葉2枚のころ苗床に移植するか、128穴のセルトレイに2〜3粒ずつまき、育つにつれて一本立ちにするかの、いずれかにします。暑い盛りですので、苗の上方にはよしずや、遮光用のネット資材を風が通るように掛けます。育苗箱やトレイは強い日差しのときは木陰に置くなど、涼しくします。
 夏は乾きやすいので、かん水不足にならないようにしますが、日中は避けて朝夕の涼しいうちに行うようにしましょう。暑いさなかにたくさん水をやると、立枯病が発生する恐れがあります。
 苗床なら本葉5〜6枚、セルトレイなら本葉3枚に育ったころが畑への定植適期です。苗には前もって十分かん水し、根鉢(植物を掘り出したときに根の周りについてくる土)を十分つけ、断根しないように注意して植えつけましょう。
 良質の大きい花蕾(からい)を取るには、畑の準備も大切です。畑は前もって完熟堆肥(たいひ)を十分施して耕し込んでおき、元肥は溝を掘って油かす、化成肥料を施します。
 秋に入ると雨が多くなるので、水はけが良くなるように整地します。周囲には排水溝を設け、畝を高めに作っておきましょう。深植えは避け、株元が少し高くなるように植えるのが最適です。
 
 
 
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 ハクサイ作り成功のポイント

【まきどき】よくできた結球ハクサイの球は、70〜100枚の葉によって構成されています。まきどきが遅れると、葉数の増加が止まる花芽分化のころ(15度以下の気温が続くようになるころ、関東南部以西の平たん地では10月中旬以降)までに十分な葉数が確保できず、球の肥大不良になってしまいます。そうかといって、早まきし過ぎると、夏の高温で苗が良く育たず、畑に植えてから病害が発生しやすくなります。  種まきの適期は、前記の地域では8月20〜25日ごろです。品種による違いもあるので、入手先でよく確かめてください。

【苗作り】128穴のセルトレイを用いると便利です。セル育苗用のピートモスを多く含んだ用土を選び、各穴に均一に詰め軽く押さえ、セルの区切りが見えるようにすり切り、たっぷりかん水してから種子を3〜4粒まきます。覆土したらもう一度軽くかん水し、新聞紙を2枚重ねて覆い、毎日かん水し発芽を待ちます。3〜4日で発芽するので、新聞紙を取り除き、用土の乾き具合に注意し、晴天なら朝夕2回ぐらいかん水します。トレイの外側の乾きやすいところは多めにかん水し、むらなく育てます。育つにつれて逐次間引いて一本立ちにし、20日内外で本葉3〜4枚の苗に仕上げます。
 少ない株数でよければ3号ポリ鉢にまいてもOKです。この場合は根鉢が大きいので、本葉5〜6枚の大苗に仕上げます。

【植えつけ】多肥を好むので、元肥には良質の堆肥(たいひ)と油かす、化成肥料などを多めに施します。ハクサイの根群は浅く広く張る性質があるので、元肥はベッド全面にばらまき、15〜20cmの深さに耕し込むのが合理的です。苗は1カ所に2株寄せ合わせて植えつけましょう。残暑や強い降雨のとき、1本よりも初期生育が順調に進むからです。畑が乾いていたらあらかじめ植え穴に十分かん水し、水が引いたら苗を植え、その後で株の周りにもう一度かん水しておきます。
 本葉7〜8枚ぐらいになり株が競合するようになったら、生育の良い株を残して間引きます。盛んに育ち始めたら遅れずに追肥をします。結球開始までに2〜3回の追肥が欠かせません。
 
 
 
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 中国野菜の立役者チンゲンサイ

中国の中部辺りが原産の野菜です。戦後、中国から導入、あるいは再導入(以前に導入したが定着しなかったため)された野菜は相当数に上りますが、食味や調理特性が認められ根づいたものはごく少数しかありません。そのまれな野菜の代表格がチンゲンサイ。まさに中国野菜の立役者といっていいでしょう。
 シャキシャキした歯触り、ほのかに甘味のある味わい、そして熱を加えても煮崩れ、色あせしない特徴は、いため物、クリーム煮、あんかけ、おひたしやあえ物、肉料理のつけ合わせにと、中、和、洋ともに使いやすいのが人気の元です。
 家庭菜園の露地で良品を収穫しやすいのは、これから種まきする作型からです。
 おすすめの品種は、早生で育てやすい、定番の「青帝」、暑さに強く歯切れのよい味の「長陽」、手のひらサイズで丸ごと調理できるミニチンゲンサイの「シャオパオ」などです。一定間隔(株間15cm)で楽にまけるシーダーテープ入りも販売されています。
 苗作りは、128穴のセルトレイを用いてセル成型育苗にすると、そのまま引き抜き、畑に定植できるので便利です。少ない苗数でよければ、育苗箱にまいて、本葉1枚のころ3号のポリ鉢に鉢上げ移植したり、ポリ鉢に直接種をまき、そのまま苗に育て上げ、畑に定植してもよいでしょう。
 残暑の時期から育てるので、畑には前作が空き次第、石灰または苦土石灰を適量まき、よく耕しておきます。元肥には良質の完熟堆肥(たいひ)、油かす、化成肥料などを全面に耕し込んでおきます。
 生育が早いので、定植後半月と、その後、育ち盛りに入ったころに化成肥料を株の周りに追肥し、軽く土に混ぜ込んでおきます。高温期に乾き過ぎると石灰の吸収不足によるチップバーン症状(新葉の先の緑が褐変)が出ることがあるのでかん水に留意します。
 アブラムシ、コナガ、キスジノミハムシなどの被害を受けやすいので、苗床での薬剤散布や定植後の防虫被覆資材による防除を行ってください。
 
 
 
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耐寒性が強く冬に重宝する
小松菜


 在来のカブから分化した古いツケナ(アブラナ属の菜類のグループ名)の一つです。その名は江戸時代に、現在の東京・江戸川区の小松川周辺の特産だったことから生まれたと伝えられています。
 市場に多く出回っているのは葉身が円形、肉厚で緑の濃い、いわゆる丸葉系の品種ですが、在来に近いはかまのついたものや、クキタチナ、大崎菜、武州寒菜、女池菜など、類似の在来品種もあるので、地域によってはこれらを育ててみるのもよいでしょう。これからまくのにおすすめの品種は「なかまち」「きよすみ」「楽天」「おそめ」などです。
 冬の青物の少ない時期に取るには、10月に入ってから種まきしても大丈夫。関東南部以西の温暖地なら50〜60日あれば収穫できるので、正月用には10月下旬でも十分間に合うでしょう。寒い地域では種まきしたらすぐにトンネルを掛けて保温すれば間に合います
。  厳寒期に良品を得るには、保水性、通気性の良い、豊かな土壌が適しています。植えつける畑は前作を早めに片づけ、石灰をまいてよく耕しておきます。種をまく前の元肥には完熟堆肥(たいひ)、油かす、化成肥料などを施し、早めに準備しておきましょう。
 種まきは通常、図のようにくわ幅のまき溝を作ってばらまきにしますが、狭い畑を有効に利用するには、ベッドを設けて横方向に条まきにします。
 発芽したら遅れずに込み合っているところを間引きし、溝の側方に肥料をまき、くわで軽く中耕して肥料を土に耕し込んでおきます。
 秋のうちはコナガやアブラムシ、アオムシなどの被害を受けやすいので、べた掛け資材やネット類などの防虫資材で被覆したり、早期に発見し薬剤散布して防除しましょう。
 プランター栽培も容易にできます。その場合、長形容器に2列まきにします。何分にも少量なので、収穫は1度で終わってしまい楽しみが少なくなりがちですから、収穫は株ごと引き抜かないで、外側の葉から1葉ずつかき取って収穫し、次々と出てくる葉を少量で足りる汁の実やトッピングにと、長く利用するのも一興でしょう。
 
 
 
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タマネギの植えつけと
作業のコツ


 9月に種まきしたタマネギは、10月下旬から11月が植えどきです。
 タマネギは、真冬に入るまでに十分地中に根を張らせ、春になったらすぐに勢いよく育つようにすることが大切です。そのためには、根の発育に有効なリン酸成分を欠かさず、特に火山灰土壌では多めに元肥として施すことが大切です。早めに完熟堆肥(たいひ)少量と化成肥料、過リン酸石灰または熔成リン肥(ヨウリン)を全面に耕し込んでおきます。粗い堆肥を根の下方に与えると通気が良過ぎて、乾き過ぎたりするなど、かえって生育を損ねてしまうので注意してください。普通に野菜が育つ畑なら、むしろ堆肥はあまり与えない方が無難でしょう。
 植え方には、50〜60cm間隔に溝を作り列植えにする方法と、ベッドを作り15cm間隔ぐらいに密植する方法があります。  列植えは溝作り、植えつけ、覆土と鎮圧作業が連続的に行われるので、作業能率が高いほか、収穫前に列間に後作(ラッカセイ、ショウガ、インゲンマメなど)を植えつけられるので、畑の利用効率も高まります。
 ベッド植えは、面積当たりの植えつけ株数が多いこと、フィルムマルチを効率良く利用でき、雑草が抑えられ、球の肥大が早められること、などの利点があります。
 植えつけ作業のコツは、畑が乾いていたら事前に溝の中、ベッド(マルチ前)にかん水する。苗取りは大きさをそろえ、根を十分につけて抜き取る。根はできるだけ下方に向けて深く入るよう植える(ベッド植えでは木製の穴開け器で植え穴を開けるのが能率的)。植えた後は株元を鎮圧(列植えは足で踏み固め、ベッド植えは指先で株元を締めつける)し、根に土をしっかりなじませておく、などです。
 いずれの方法も、植えつけの深さは図のように根の上に土が2〜3cmの深さに掛かるぐらいがよく、緑葉の部分が隠れるほど掛かるのは深過ぎで、後の育ちが悪くなります。植えつけた後、畑が乾き過ぎるようなら、2〜3回ほど株元にかん水すると活着が早まります。
 植えつけ後、欠株が生じたら早めに残り苗で補植し、株数の完全な確保を図るよう心掛けましょう。
 
 
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結球ハクサイの収穫と防寒対策

 晩秋に入ると大きく育った結球ハクサイの収穫期に入ります。球の頭の方を手のひらで押さえて、硬くなっていたら収穫の適期入りです。
 上手に育てたつもりでも、株によって球の締まり具合はかなりばらつきが出るので、出来上がったものから順次収穫しましょう。
 そして、結球を終えた株がかなり残った場合には、畑でそのままにしておくと厳しい霜や寒風にさらされて、球の頂部の柔らかな葉や外葉がカサカサになり、球がやせて、やがてそこから腐り込んだりして、せっかく丹精込めて育てたハクサイが食べられなくなってしまいます。
 未収穫のものは防寒対策を上手にして長い間利用できるようにしたいものです。
 畑での一番簡単な防寒対策は、霜が降り始めてきたころ、すでに収穫した株の、畑に残されたしおれた葉(できるだけ下葉の大きいものがよい)を拾って、球の頭上に3〜4枚覆っておく方法です。しおれた葉ですから帽子のようにかぶさり、風で飛ばされにくいので好都合です。飛ばされたらまた掛け直します。
 もう少し長く置きたい場合は、なるべく多くの外葉で球を包むようにしてポリひも、稲わらなどで縛っておきましょう。ハクサイが勢い良く育っている間は葉が折れたり、破れたりして作業しにくいですが、多少霜に遭い、葉の水分が少なくなってからの方がやりやすいと思います。
 べた掛け資材(不織布)があればそれを2〜3枚重ねにして、風で飛ばされないように工夫して覆っておくのも一つの方法です。プラスチックフィルムは、ハクサイに直接触れていた場合、覆われなかったものよりも低温になり寒害を受けてしまうので、使わないでください。
 畑から収穫して貯蔵するには、少量なら四つ切りくらいにカットし、ラップで密閉して冷蔵庫に収めます。球を丸のまま保存するには新聞紙に包んで冷暗所に置きましょう。
 多数の株を長時間、品質良く貯蔵するには、畑から太根をつけたまま掘り取り、竹林や樹林の下、あるいは作業倉の軒先など直接霜の当たらないところに根元を上にして並べておきます。腐り始めた株は早めに発見して取り除き、隣の株に伝播(でんぱ)しないよう心掛けましょう。

 
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冬の間にしっかりと土づくりを

 家庭菜園の多くは面積的にそう広くなく、そこに多種類の野菜を高い頻度で作づけする場合が多いので、畑の土は計画的に栽培される野菜畑に比べると相当過酷な使われ方をしていると見ていいでしょう。「地力」すなわち土地の生産力は大変消耗しやすいのです。
 この地力を常に補い、増強し、野菜作りに適した性質に改良してやることが必要です。
 野菜作りに適した土は
  (1)水はけが良く、適度の空気を含んでいること
  (2)水持ち(保水力)があること
  (3)土の酸度(pH)が適正であること
  (4)病原菌や害虫がいないこと
  (5)肥料分に富むこと、などです。
 (5)の施肥に頼るところは別ですが、(1)〜(4)は適切な耕起(畑起こし)と良質な堆肥(たいひ)の施用によって達成できるのです。
 畑起こしは冬が最適です。それは、越冬野菜やトンネル栽培物を除けば、この時期の家庭菜園は冬休みで空き地が多く、耕せる面積割合が広いからです。それに加えて、掘り起こした土を厳しい寒気にさらすことによって風化させ、病原菌や害虫、雑草などの密度を下げることができるのです。
 耕す方法としては、畑全面に石灰または苦土石灰を、通常は土が7〜8割がた見えなくなる程度(1平方m当たり50gぐらい)均一にまいてから、20〜30cmの深さを、鍬(くわ)またはシャベルで耕します。石灰の量は、野菜の種類によって育ちの悪いものがある場合には、土のpHを調べて加減する必要があります。
 耕した後は、土の表面の凹凸をそのままにして寒気や雨風にさらし、風化を促すようにしましょう。
 一方、冬の間を利用して、落ち葉、枯れ草、稲わらなどを積み上げて良質な堆肥をできるだけたくさんつくるように心掛けます。そして、春になったらこれを畑全面にまき、もう一度耕し、堆肥を土に混入しておきます。
 このような土づくりを心掛けていくと、土壌は次第に団粒構造となり、空気や水を適度に含み、余分な水は排水されるため、野菜の根は健全に育ち、良品多収のしっかりした基礎固めができます。

 

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トンネル保温で早取りコカブを

 2月初旬には立春が訪れるとはいえ、平年なら1月下旬からの一番寒気の厳しい時期で、最低気温もこのころあらわれます。そのため畑の地温は低く、霜も厳しいので露地畑ではとても種まきできる時期ではありませんが、プラスチックフィルムをトンネル状に覆い、密閉すれば多くの地域(関東以西の平たん温暖地など。北関東以北の寒・高冷地では2〜3旬遅れ)では一足早い春の訪れ、春取りコカブの種のまきどきです。ほかの野菜に先駆けて、4月ごろには、きれいな白肌で歯触りの良いおいしいカブが、浅漬け、酢漬け、みそ汁の実などで食膳(しょくぜん)をにぎわせてくれます。
 品種は低温下でも早肥(ぶと)りする「みぶね」「福小町」、耐病性のある「耐病ひかり」、肩部に紅色が現れ彩りの良い「あやめ雪」、定番の「金町小かぶ」などがあります。  育て方は、まず図のように、畑に1.2m幅のベッドを作り全面に完熟堆肥と油かす、化成肥料をばらまき、15cmほどの深さによく耕し込みます。
 そして、くわ幅よりやや広め(16〜17cm)にまき溝を3列、溝底が平らになるよう丁寧に作り、溝の外にはみ出さないようジョウロでかん水します。種まき後すぐにフィルムで覆ってしまうので、ここで水を十分与えておくことが肝要です。
 種まきは、種子が小さいので厚まきにならないよう注意して1.5〜2cm間隔ぐらいの薄まきとし、1cmほどの厚さに覆土してからトンネルを覆います。すそには十分土を掛け、密閉して地温上昇を図り発芽と初期生育を促します。
 発芽して本葉1〜2枚に育ったなら頂部に小穴を開けて換気し、さらに内部が30度を超えるようになったらすそを開けて換気し温度の上昇を防ぎます。
 育つにつれて株間が込み合わないよう適宜間引き、かん水も時折り行って乾き過ぎに注意します。
 間引いたものは小さくても利用するようにし、最終株間は7〜8cmぐらいにします。
 間引きした後、生育中2回ほど列の間に化成肥料をまき追肥します。
 暖かくなったらトンネルを取り除いて外気にならし、球径が5cm内外になったら、肥大したものから順次収穫しましょう。

 
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春夏野菜の種まき好適シーズンの到来


 春のお彼岸から桜咲くころにかけては、春夏取り野菜の種まきの一番の適期(関東以北の寒・高冷地は2〜3旬遅れ)です。日差しが強くなり、土のぬくもりが種々の野菜の発芽適温に達してくるからです。
 種まきできるのは、葉根菜類では小松菜、ホウレンソウ、シュンギク、コカブ、ラディッシュ、レタス、クウシンサイ、ネギなどです。
 冬に耕しておいた畑に、早めに全面に完熟堆肥と油かす、化成肥料などをばらまき、もう一度軽く耕して土に混ぜ込み、表面を平らにしておきます。そして、いずれの種類もくわ幅より少し広め(約15cm)のまき溝を、約5cmの深さに作ります。そろい良く発芽させるためには、溝の底面が平らになるよう何回も前後にくわを動かし土を細かく砕くことが大切です。土が乾き過ぎていたら種をまく前にジョウロで溝面だけを狙って丁寧にかん水しておきます。
 まき終わったら1cmぐらい(ニンジン、レタスはごく薄く)の厚さに覆土し、その上からくわの背で押さえ、軽く鎮圧し種子と土をよくなじませておきましょう。覆土した上に、土が見えなくなる程度に、もみ殻薫炭または裁断した切りわら、あるいは細かくふるった完熟堆肥などで覆っておけば、強雨や乾き過ぎの害を回避でき、発芽ぞろいや初期生育を促すことができます。
 果菜類で種まきできるのは、苗が短期に育て上げられるカボチャ、ズッキーニ、インゲン、エダマメ、トウモロコシなどです。いずれも葉根菜よりは高温好みなので、畑に直まきするのには2旬ほど早過ぎます。鉢育苗により簡単な保温をして大事に育てる必要があります。
 いずれも3号(径9cm)のポリ鉢に、市販の育苗用土を詰め、カボチャ、ズッキーニは1粒、他は2粒ずつ種まきします。発芽には23〜25度以上を必要とするので、種まきしたら鉢を並べた上に直接ビニールフィルムを覆い、その上にトンネル状にビニールフィルムを覆って、日中の陽光利用、夜の保温に努めます。寒い夜は暖かい場所に移し、フィルムの上に保温資材を掛けてやることも必要です。苗で畑に植え出せば、トウモロコシやエダマメの鳥害を回避できるメリットもあります。

 

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作付け前の畑の準備


 桜咲くころともなれば春夏作野菜のための畑作りの始まりです。野菜の生育に適した畑土は、
(1)水はけが良く適度の空気を含んでいること
(2)水持ち(保水力)が良いこと
(3)土壌の酸度(pH)が適正であること
(4)病原菌や害虫がいないこと
(5)肥料分に富むこと
などです。(1)〜(4)は耕起と堆肥の施用、(5)は上手な施肥によって達成できます。
 冬の間に石灰を全面にばらまき耕しておいた畑に、十分な堆肥が確保されているなら早めに畑全面に堆肥をまいて20cmぐらいの深さによく耕し込んでおきます。
 庭先や小さな市民農園では1区画制にせざるを得ませんが、2〜3a以上の菜園なら3〜4区画に分けて作付け計画を立て、同一種類が連作にならないようにし、土壌病害の伝染や害虫(主にネマトーダ)を未然に防ぐことが大切です。
 種まきまたは定植の半月以上も前に元肥を施しておきます。そのポイントは「作付け開始後では与えることのできない根域の土層に、根がしっかりと張り、肥料分が長い間効き続けるような性質の堆肥と肥料を与える」ことです。野菜の種類ごとの根の張り具合をよく知って、元肥を施す位置を決めましょう。
 果菜類の場合、図に示すようにトマト、ナス、ピーマンなどナス科のものは、根が深く、縦型に伸びる性質があるので、畝の中央に深く溝を掘って、主要な根が深く張るよう導きます。こうすれば土壌の乾湿にもよく耐え、草勢が長く保たれ、果実の発育障害を少なくすることができます。キュウリ、メロン、シロウリなどウリ科は根系が浅く、幅広く、横型に形成されるので、元肥は浅く幅広に与えます。ベッド全面に耕し込むのが手っ取り早いでしょう。
 葉茎菜類、根菜類の場合には草姿が小さく、比較的密植されるものが多いので、元肥は畑全面に与え、耕し込むようにします。
 いずれの場合にも、根が酸素不足になることなく、広範囲に張らせるためには、元肥として中熟程度の粗めの堆肥(稲わら、刈り草、サツマイモ、トウモロコシの茎葉など)と、長めの肥効が発揮できるような油かす、緩効性の化学肥料などをその上にばらまいておきます。
 その後すぐに、溝状の場合(図上)には土を埋め戻し、大まかに畝を作りますが、低湿地では排水のことを考えて高めにしておきます。畝全面の場合(図下)には半月ほどたってからもう一度耕し、肥料を土になじませます。 




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 購入苗の上手な見分け方、使い方

  春の園芸シーズンに入るとたくさんの野菜苗がにぎやかに売り出されます。自分で育苗することが難しい苗、特に高温性で育苗に数十日もかかる果菜類はこれを買い求めて栽培する場合が多いのですが、ここで大切なのは、良い苗をどのように見極めるかということです。将来収穫する果実のもととなる花芽は苗の中に形成され発達し、花となるからです。適温の下十分な光と根からの栄養、水が与えられ、素直に育った苗を選ぶ眼力を養うことが大切なわけです。  
  ポイントは図のように葉の大きさ、葉色と厚さ、茎の伸び具合、つぼみのつき具合、病害がないこと、などです。根が健全なことも大変重要ですが、抜き取ってみることはできませんから、良い鉢土が使われ、乾き過ぎたり固まり過ぎたりしていないか、などを調べます。  
  接ぎ木苗では接合部がきれいに合って、傷口が癒えているか確かめましょう。ウリ類では双葉がしっかりついていることも重要です。この点、トマトやナスは接ぎ方によっては双葉の部分を除いた上方で切ることもあり、目安にはなりません。  
  売り出されている果菜苗は、一般に小鉢(3号鉢以下)ですので、大変未熟です。早めに買い求めたら自分で4〜5号鉢に、良い土を補って植え直し暖かい所で入念に管理(2次育苗)し、トマト、ナス、ピーマンは花が咲くぐらいになってから、十分暖かくなった畑に植え出すようにしましょう。キュウリやスイカ、カボチャはその必要はなく、液肥でも追肥して元気づけて植えましょう。  
  レタス、キャベツ、チンゲンサイなどの葉菜類は育苗日数が短くて成苗になるので、2次育苗は必要なく、そのまま鉢いっぱいに根が回らないうちに畑に植え出します。葉色が淡いようなら液肥を補って、丁寧にかん水管理して育て上げ、畑に植え出しましょう。  
  いずれの苗も株元に病痕があったり、茎葉に病斑や害虫がついていたら選外にします。苗のとき1次感染したものは畑での発病が大変多くなり、後で手こずってしまいがちです。とくに害虫は下の方の葉の裏、若い芽の部分に潜んでいますので、要注意です。
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家庭菜園の日々の管理

 
  春から夏にかけて野菜の育ちは大変早く、日々その姿を変えてきます。その育ち方を知り、適切な管理をすることが、良質野菜、多収の基本です。  
  管理の狙いは、(1)健全な葉を必要な枚数付けさせ、(2)各葉によく光を当て、(3)根からの養水分を適量与え、光合成を盛んに行わせることです。ちなみに長期に収穫し続ける果菜類では、果実1個当たり、ナス、ピーマンは7〜8枚、キュウリは3枚、カボチャでは15枚、スイカでは40〜50枚の健全な葉数が必要です。株間を広めに取り、整枝を適正に行うこと、果実が多過ぎれば摘果して制限し、あるいは小さいうちに収穫し、1果当たりの葉数を確保することが重要になるわけです。  
  次に、各葉に光をよく当てるために、余分に伸びてきた脇芽や、重なり合ってお互いに陰をつくってしまう葉は摘み取ることです。トマトの脇芽は2〜3日見ないと残すべき主枝と見紛うほど大きく伸びてしまいます。キュウリの子づる、孫づるは、一日で3〜4cmも伸びるのです。育ち盛りには1〜2日置きには必ず、見過ごさずに摘み取ってください。病害虫で葉が傷められないようにするのは当然ですが、機能が発揮できなくなった葉は早めに摘除して健全な葉や果実によく光を当てるよう心掛けることも大切です。   
  肥料のことは次号に譲りますが、水分不足は葉の気孔開度を小さくし、光合成作用を大きく損ねてしまいますので、株元へのフィルムマルチ、盛夏期の敷きわらは重要です。水分の吸収量は、晴天と曇天で6〜8倍も違うので、天候に応じたかん水の加減が重要です。このことは地下からの吸水がまったくないプランターの管理では特に心得ておかねばなりません。    
  盛夏の太陽光は強過ぎ、生育に有害となる場合がしばしばあります。強光は高温を伴うので、特に低温性のホウレンソウやチンゲンサイ、シュンギクなど、あるいは秋野菜作りのためのキャベツ、ハクサイなど、幼苗期にはべた掛け資材のトンネルで遮光するのが有効です。害虫回避の効果も発揮できるので、一挙両得のおすすめ技術といえましょう。 
 
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施肥のポイント


  野菜の肥料の吸収は、育ちが進むにつれて多くなっていくので、その吸収に応じられるように、肥料を補給してやります。元肥として与えた土壌中の肥料分は、野菜の吸収により減少し、また、降雨やかん水によって流亡する分もあるので逐次補う=追肥をしなければなりません。  
  追肥の与え方は、(1)野菜の種類、(2)育ち具合、(3)畑の条件などを考えて決めることが大切です。茎や葉を大きく育てるだけの葉茎菜類(ホウレンソウ、小松菜、ニンジン、ネギなど)は、生育の進み具合、葉色を目安に、15〜20日置きに2〜3回、大きさに応じて増量しながら与えるようにします。果菜類は種類によって性質が異なり、キュウリ、ナス、インゲンなど実止まりしやすいものは、葉茎菜類に準じて、生育が進み、収量が増えればそれに応じて増量しながら数回与えます。
  トマト、スイカ、カボチャなどは、果実が確実に着果し肥大するのを見届けてから追肥することが大切です。特に着果しにくい大玉トマトは、振動授粉やホルモン散布により確実に着果させ、一番果がゴルフボール大に肥大してから第1回の追肥をすることが肝心です。その後収量が増えるにつれて施肥量も増やし、全期を通じて3〜4回与えます。  
  畑が乾いた状態のところへ追肥したのではすぐに根に吸収されないので、株の周囲にばらまき軽く土に耕し込んだり、畝の側方にくわで溝を作り肥料をまき、すぐに土を戻し、肥料を埋め込みます。肥料は根が伸出している先の方、溝を掘ったとき根が少し現れる辺りに与えるのが最良です。乾燥続きのときは施肥後にかん水したり、液肥としてかん水代わりに与えるのも良法です。  
  フィルムマルチをしている場合は、フィルムをめくるか、所々に穴を開けて与えます。雨による流亡が少ないので、施肥量は2〜3割減らしても差し支えありません。  
  追肥に用いる肥料の種類は速効性で扱いやすい化成肥料、肥当たりが少ない油かす(あらかじめ完熟堆肥と混ぜて発酵させておけば最良)、有機配合などがお薦めです。  
  1回の量は、葉茎菜類は畝の広さ1平方m当たりに化成肥料と油かす各大さじ3〜5杯、果菜類は1株当たり各大さじ1〜2杯を目安とします。
 

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病害虫の防除と
農薬の上手な使い方


  病害虫の発生を抑え、健全な野菜を育てるために必要な事項は、(1)病害虫の発生源、感染源を少なくする=これらの生育場所となる周辺雑草を退治し、野菜の残りかすを丁寧に始末する。(2)病害虫を受け付けにくい健康な体の野菜を作る=適期まき、適期植で株間を十分に取り採光、通風を良くし、肥切れさせない。(3)病害虫の感染、飛来を、資材や混・間作、輪栽で回避する=防虫ネットやべた掛け資材被覆、反射フィルムの利用、麦や陸稲を間作して障壁を作る。対抗植物との輪栽(ネマトーダにマリーゴールド、エン麦、ハブ草)、コンパニオンプランツ、共栄植物との近接栽植(トマト、ニラ、ウリ類とネギ)などによる対応。(4)被害の早期発見に努め、機を逸しないで有効な農薬を上手に散布する、などです。
 農薬を有効に利用するに当たって大切なことは、病害虫は畑全体に一斉に出るものではなく、初めは部分的に、特定の株や部位に出て、それが何日かすると急に広がってくるので、初期発生の発見に努め、この段階でいち早く局所を重点的に薬剤散布することが肝心です。そうすることによって薬剤の使用回数、量を大幅に節減することが可能です。
 発生した病害虫の種類をよく調べ、あるいは専門技術者に判定してもらい、適正な薬剤を求めますが、薬剤により作物ごとの使用濃度、使用可能な回数、収穫の何日前まで使用できるか、他剤との混用の可否などが異なるので、説明書をよく読んで、間違えないよう、十分注意して使用してください。
 水和剤、乳剤は必要な水量に薬剤を入れ、展着剤を加え、よく攪拌(かくはん)して用います。必要量は野菜の種類、生育段階により大きく異なりますが、生育盛りのキュウリ、トマトでは1株当たり100〜200ml、キャベツ、ハクサイでは約30〜50mlぐらいと考えてよいでしょう。
 散布に当たっては噴霧機の圧力を十分にかけ、害虫では寄生部、病害では病斑が出始めているところ、雨により土がはね上がりやすい下葉の裏などを重点的に掛けます。初め噴霧口を上向きにして下葉の裏に掛け、次第に上葉に向かい、最後に全体の葉の表面にさっと掛けて仕上がりです。細かい霧が葉の全面に付くのがよく、滴り落ちるのは多過ぎで細部によく付着しません。
 
 

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間引き、整枝、摘葉

 畑にじかに種子をまいたり、苗作りで育苗箱にまいたりする場合、通常は厚まきにするため、発芽すると密生状態になります。小さいうちは、密生している方が「共育ち(共存)」の現象で、お互いにかばい合ってよく育つものです。
 しかし、そのまま密生にしておくとお互いに「競合(競争)」し合い、全てが軟弱徒長状態になってしまいます。そのため間引きをして適当な間隔を与えてやる必要があります。
 間引きは1回で済ませるのではなく、育ちに応じて2〜3回行うのが生育にとって合理的です。ダイコンの例は図示した通り、本葉1枚のころと、3〜4枚のころ、6〜7枚のころと、3回行うのがよいでしょう。1回目は子葉の形に注意し、異常に大き過ぎたり、不整形のものは根が変形したりしやすいので、除外して整った形の株を残すよう注意しましょう。ニンジンは部分的に密生しやすいので、遅れないよう丁寧に間引きをすることが大切です。いつまでも込み過ぎていると根の肥大を大きく損ね、形の悪いものになってしまいます。
 良質の果実をたくさん収穫したい果菜類は、摘心、整枝、摘葉を適切に行い枝の配置を良くし、各葉に太陽光を十分に与え、果実の付く位置や、着果数に応じた健全な葉数を確保することが大変重要です。
 通常主枝一本仕立て(トマト)、主枝+側枝二〜三本仕立て(ナス、ピーマン、スイカ、メロン、カボチャ)、主枝+子つる+孫つる(キュウリ)など、種類別の整枝法をよく理解して、時期を逸せず入念に行うことが大切です。
 また、茎葉が盛んに伸び、各葉が込み合うようになったら、老化した葉や陰の葉、病害虫にかかった葉は適宜摘葉して、畝内の通風、採光を良くしてやりましょう。  内側に伸び、葉の込み合いをひどくしている側枝は、茎の中ほどから切り取ることも必要です。
 なり盛りを過ぎ、弱った株の勢いを回復する積極的な整枝、摘葉法として、これから行うナスの更新剪定(せんてい)を参考までに図に示しました。
 

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フィルムマルチ、敷きわらの基礎

●マルチとは
 土壌の表面をプラスチックフィルムや稲わら、刈り草などで被覆することを総称してマルチ(マルチングの略)と呼びます。(1)雨による土壌の浸食を防いだり、(2)水分の蒸散や、(3)雑草の防止、(4)地温の調節、(5)肥料の流亡防止……など、多くの効果が得られるので、野菜作りには一石五鳥の優れもの、欠くことのできない手段といってよいほどです。
●フィルムマルチ
 ごく薄いプラスチックフィルム(一般に農ポリ、0.02mm厚)を地面に敷くことで、地温の上昇、土壌水分の保持、土壌表面の固結防止、雑草の抑止(黒色など)、それに反射光による害虫飛来の回避(銀、白色など)などに効果が表れます。春夏野菜では、低温期の地温上昇と乾燥防止、雑草防止、あるいは夏の地温上昇抑止(銀、白色)に特に有効です。使用に当たっては、図のようにフィルムの種類と土壌への影響の関係をよくわきまえて、効果を十分発揮させるように扱うことが大切です。秋冬、越冬野菜には地温上昇を優先します。その効果は透明の方がより大きいのですが、雑草抑止には無効です。雑草のことを考えて黒色を使う場合には、土の表面をよくならし、フィルムの密着面をできるだけ広くすることが大切です。植え穴付近は土を覆って穴をふさぎ、地温上昇や乾燥防止の効果を高めるようにしましょう。
●敷きわら
 稲わら、麦わら、刈り草の他にもみ殻、コンポストなど各種の有機物が材料となります。農家でないと材料の調達が難しいものが多くなってきましたが、夏の乾燥を防ぎ、地温の上昇を防ぐ効果はフィルムよりはるかに大きく、また、有機物の増加による土壌物理性の改善、地表付近の根群の増加、水溶性養分が土に移り有効態カリが増加(特に果樹に有効)するなどの副次的効果も期待できます。ただし地温上昇には明らかにマイナスとなるので、低温期には使えません。
 マルチはいずれも雨による下葉への土壌の跳ね上がりを防止するので、野菜では病害の発生抑止にも有効なことを付記しておきましょう。
 

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防寒、防風対策

 多くの地域では10月中旬から下旬を過ぎると低温のため秋冬野菜、特に軟弱小物野菜は正常な生育をしなくなり、また、それ以降年内に秋まきできる野菜はほとんどなくなります。さらに北風の当たる台地などでは、風のためにいっそう不適な条件になってしまいます。  防寒、防風の一番簡単な手段は、べた掛け資材(不織布)を用いる方法です。保温力は小さいですが、生育中のナバナ、リーフレタス、カリフラワーなどに適します。野菜の大きさ、畑の面積などに応じて図A、B、Cの方法を選択します。
 この時期になると低温のため露地状態では種まきできませんが、ビニールやポリフィルムを用いてトンネル栽培にすれば十分間に合い、真冬から早春にかけて良品を収穫することができます。保温力はビニールが優れていますが、ポリエチレンでも十分効果を上げることができます。小松菜、ホウレンソウ、コカブ、シュンギク、春取りダイコンなどが対象です。  発芽して本葉2〜3枚になるまでは、トンネルの裾に土を掛けて密閉しておいて構いませんが、生育が進み始めると密閉では日中の気温が上がり過ぎ軟弱化してしまうので、晴天日には換気し、28〜30度以上には昇温しないよう管理することが大切です。換気の方法は図1〜3に示す通りです。換気穴方式は夜間も換気状態なので、保温効果は落ちます。しかし裾に土を掛けておくので、風に対しては強く、野菜の育ちはやや遅れますが、そろい良く育ちます。
 さらに保温性能を高めるには、トンネル内に穴開きマルチをして種まきしたり、同じくトンネル内の野菜の葉上にべた掛け資材を覆うなど、2通りの方法をうまく併用する場合もあります。
 風当たりの軽減と霜よけには、古くから行われていた畝内へのシノ竹立てや、栽培床の北側に、南からの陽光を最大限に取り入れるよう、入射角に合わせてよしずを立てて栽培する覆下栽培など、資材を上手に利用することも考えます。
 エンドウなど越冬中の寒風害にやられやすいものは、株元をもみ殻や粗大な堆肥で覆い、風に振り回されないようにしてやるとよいです。
 
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土づくりのポイント

  本格的な冬を迎え、家庭菜園は越冬野菜だけとなり、冬の休閑期に入り、空き畑が多くなります。この機会にしっかりと土づくりをし、来年に備えましょう。
 野菜の根が健全に伸びるには、(1)水はけと通気性が良いこと、(2)水持ち(保水力)が良いこと、が重要な条件となります。
 土には細粒の粘土と、粗粒の砂の割合が異なる団粒構造と単粒構造があり(図参照)、団粒構造にすると孔隙(こうげき)率が高く、空気や水を適度に含み根がよく伸びますが、その状態も数年野菜を作り続けると、痩せて単粒構造となり、孔隙(隙間)が少なくなり根があまり伸びなくなってしまいます。  土を団粒構造にするには、良い粗大有機物(堆肥、緑肥、ピートモス、ココピートなど)を十分に施し、深く耕やすことが必要です。
 根が深く広く張るためには深層まで条件を整えることが大切ですが、その目安として、直径8〜9mmの棒を畑土に挿したとき、あまり力を入れずに入る作土層が20cm以上あることです。力いっぱいに挿し込んで測る有効土層が60cm以上あれば申し分ありません。これは不十分な場合が多いようですが、深耕することにより改善を図ることができます。
 畑起こし、粗大有機物入れの時期は寒冷の冬が最適です。それは他の作業が暇で、畑が空いていることだけではなく、掘り起こした下層の土を、厳しい寒気にさらし風化させることにより物理性が改善され、病原菌や害虫、雑草の種子を死滅、軽減する効果が大きく発揮されるからです。
 作業の手順としては、前作の残りかすや病害虫の被害株・残根などをきれいに取り除き、堆肥などの粗大有機物を畑全面にばらまいてから耕運します。深耕する場合には先に畑起こししてから、次の耕運時に堆肥などの粗大有機物を施すのが良法です。耕した土はなるべく表面に凹凸があるままにしておき、寒気に触れる面を大きくしておきます。   土壌の酸性度も冬の間に調べてpH6.0〜6.5程度に調整しておくことが大切です。酸性を改良する消石灰の施用量は砂質あるいは腐植の少ない土壌では少なくてよく、黒ボク土では多くを要するので、施用量を誤らないようにすることが大切です。毎年むやみに与え過ぎると弊害を生じる恐れがあります。
 
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連作障害を防ぐ

  連作とは、同じ場所に同じ野菜もしくは同じ科に属する近縁の野菜などを続けて作付けすることをいいます。この連作という用語は、他方、異なる野菜や作物を組み合わせて作付けする輪作に対応して用いられるものです。
 実際に同じナス科のトマトとナスを、同じ畑に続けて栽培すると、通常の肥培管理をしても生育、収量、品質が劣ったり、病害虫の発生が多くなったりします。これが連作障害です。長年安定した野菜栽培を続けるには、この連作障害を出さないようにすることが大変重要なわけです。
 連作障害を起こす原因としては、
(1)土壌病原菌や土壌害虫の加害
(2)土壌の理化学性の悪化による生理障害の発生
(3)植物の根からの毒素による害(いわゆるいや地現象)
(4)その他不明の原因
 などが挙げられます。この中で最も原因として多いのは土壌病害で、ナス科野菜、ウリ類、イチゴ、ダイコンなどのフザリウム病(萎凋〈いちょう〉病、つる割れ病、萎黄病など)やアブラナ科野菜のネコブ病、ナス科野菜の青枯れ病、ジャガイモのそうか病があり、各種野菜のセンチュウなど害虫の被害も大きいです。土壌の理化学性の悪化は、耕盤の形成や酸性またはアルカリ化、肥料過多による土壌溶液濃度の高まりや、養分バランスの乱れなどによる栄養障害の発生によるものです。
 連作の害が特に著しいのはエンドウ、ソラマメ、サトイモなどです。また、ナス科、ウリ科、アブラナ科野菜も共通の病害虫を持っているので、障害が出やすいです。
 連作障害対策として第一に守るべきことは、発生しやすい野菜は一定期間他の野菜を組み入れ、輪作を行うことです。輪作で空ける年限の目安は、ホウレンソウ、コカブ、キャベツなどは1年、ハクサイ、ハナヤサイ、レタス、インゲンなどは2年、トマト、ナス、ソラマメ、サトイモなどは3〜4年、エンドウ、スイカなどは4〜5年です。ただし、果菜類で耐病性の台木に接ぎ木したものは連作することができます。  適正な土づくりや施肥を行うことも大変重要です。その他コンパニオンプランツを取り入れたり、積極的に土壌消毒をする方法もありますので、よく検討して対策を講じてください。
 

 
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余った種子の貯蔵法

  まきどきに買い求めた種子、あるいは自家採種した種子は、そのシーズン中に全部は使い切れずに余ることがしばしばあります。
 それらの中には、1袋に入っている量が多過ぎたもの、特に高価でありながら袋詰めの量が多いために、まとまった量を買わざるを得なかったもの、容易に購入できない地方伝統野菜や、海外で求めた新・珍野菜など、いろいろあるでしょう。
 このような余り種は、無駄にせず貯蔵しておいて来年、再来年にと使うことをお勧めします。  貯蔵の基礎知識として心得えておきたいことは、種子の寿命と、寿命を長く保つための貯蔵条件の二つです。
 種子にはタマネギ、ネギ、ニンジン、ミツバのように1年しか発芽年限のないものと、マメ類やナスのように2〜4年あるものなどがありますが、いずれにしても年とともに発芽率は低下し、実用上問題となる発芽勢(発芽の整一度)は低くなってしまいます。これは種子が消耗するからです。
 この消耗を防ぐための貯蔵条件はまず乾燥状態に置くこと。関係湿度が30%以下にできれば申し分ありません。そしてできれば低温下に置くことです。  実用的な貯蔵方法としては、図のように茶筒やのりの空き缶の中へ、湿気を取り除いた紙袋を、お菓子の防湿などに用いる乾燥剤(シリカゲルまたは生石灰など)と共に入れ、粘着テープで封をしておきます。これを冷暗所に置けばよいのですが、冷蔵庫の野菜貯蔵室あるいはそれ以下の氷結しない低温条件に置けば完璧です。貯蔵に入る前に種子は天日に干し(小粒種子は袋ごと開口して)できるだけ除湿をしておきます。乾燥剤は種子の水分を吸い取ってもなお除湿能力があるよう、多めに入れておくことも大切です。
 貯蔵した種子を翌年用いるときには、まく直前に開封することです。開封して水分を吸うと発芽力がどんどん低下してしまうからです。さらに再貯蔵する場合は、乾燥剤の状態を確かめ、吸湿が進んでいるなら新しいのと交換し、すぐに封入するように心掛けましょう。
 このように上手に貯蔵すれば、寿命の短かいタマネギでも3〜4年は十分使うことができるようになるのです。
 

 
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 新しい魅力の野菜に挑戦 
新顔、面白品種、地方野菜


  家庭菜園の人気の高まりとともに、たくさんの新しい品種や外来の新顔野菜、各地の伝統野菜などの情報を目にするようになりました。
 作付けの基本は、食生活のためになる主要野菜、畑の条件に合った安定品種ですが、新しい魅力のある野菜を補助的に加え、挑戦するのも菜園の興味をより高めてくれます。
 新顔野菜としてはまず外来のイタリア野菜が挙げられます。フローレンスフェンネル「ナポリ」は生でサラダや甘酢漬けによく、チコリ「ヴェネチア」はサラダに、ズッキーニ「ステラ」は断面が星形で花ズッキーニとして使えます(以上、トキタ種苗)。
 タイプの変わった新顔としては、かわいらしい卵形のズッキーニで黄色の「ゴールディー」、緑色の「グリーン・エッグ」(以上、神田育苗)などや、小形で開花後25〜30日で収穫できるトウガン「姫とうがん」(タキイ種苗)があります。
 面白い品種としては、粒色がバニラアイスのようなクリーム色でフレッシュな食感が楽しめるスイートコーン「バニラッシュ」(サカタのタネ)、米ナスと加茂ナスの中間ぐらいの大きなまんじゅう形で肉質緻密な「京まんじゅう」、紫色のしまがあり、揚げ物や炒め物に向く大形長卵形のナス「縞むらさき」(以上、丸種)などがあります。草姿が面白いものとして、大型の丸鉢やプランターであんどん作り(時計回りに巻くよう誘引)には好適な「ベランダきゅうり」(ときわ研究場)がお目見えしました。
 いぼなしで皮が柔らかく色つやの良いキュウリとして「フリーダム」(サカタのタネ)、小形の「ミニQ」(トキタ種苗)、「プチット」(ときわ研究場)と、いぼなしの仲間も増え、にぎやかになってきました。
 伝統野菜・名物野菜には、京野菜、江戸・東京野菜、加賀野菜、なにわ野菜などがあり、家庭菜園をいっそう楽しみ多いものにしてきました。どれを選ぶかはまさに地域性と個人の好みによるところですので、諸情報を参考に選んでみてください。近刊本に『からだにおいしい野菜の便利帳 伝統野菜・全国名物マップ』(高橋書店)があります。
 私が自家菜園で育て、食膳に上げ味を楽しんでいるものを挙げると、九条太ネギ、聖護院カブ、源助ダイコン、加賀太キュウリ、水前寺菜(金時草)、博多長ナス、かつお菜、安納芋、津田カブ、谷中ショウガ、金町小カブ、相模半白節成、下仁田ネギ、雪菜、飛騨紅カブ、日野菜などです。ご参考までに。
 
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