ベランダでできるキッチンガーデン

エダマメ(マメ科ダイズ属)

土壌医 藤巻久志/JA広報通信より


 エダマメといえばビール。ビールといえばドイツ。ドイツといえばクラインガルテン(市民農園)。ドイツのクラインガルテンには、ビールメーカーがスポンサーになっているところもあるとか。
 日本でも市民農園が増えています。1990年には市民農園整備促進法が成立しました。その第1条には「この法律は、主として都市の住民のレクリエーション等の用に供するための市民農園の整備を適正かつ円滑に推進するための措置を講ずることにより、健康的でゆとりのある国民生活の確保を図るとともに、良好な都市環境の形成と農村地域の振興に資することを目的とする」と、素晴らしいことが書いてあります。
 ベランダでエダマメを栽培してみましょう。取れたてを食べると、市民農園を借りたくなります。
 エダマメは低温だと発芽しないので、4月下旬から5月上旬に種まきします。深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、株間20cmに3~4粒の点まきをします。覆土は種の大きさの3倍が標準です。
 発芽後、順次間引きして本葉2枚までに2本立てにします。乾燥と過湿に弱いので、水やりは朝やって夕に土の表面が乾く程度にします。
 エダマメは根に根粒菌が付いて空気中の窒素を固定し供給するので、肥料は少なくて済みます。追肥は生育状態を見ながら、1000倍の液肥を施します。窒素肥料が多過ぎるとつるぼけ(葉ばかりさま)になって、さや付きが悪くなります。
 本葉4~5枚になったら、倒伏防止のために軽く土寄せし、増し土をします。株元にわらや腐葉土を敷いて、表土の乾燥を防ぎます。本葉5~6枚のときに摘芯すると、脇芽がよく伸びて、さやが多く付きます。
 株の中央部のさやが膨らんできたら、株ごと引き抜いて収穫します。さやが黄色くなってからでは豆が堅くなるので、さやが鮮緑色のうちに収穫します。


コールラビ(アブラナ科アブラナ属)

土壌医 藤巻久志/JA広報通信より


 フランスでは家庭菜園のことをポタジェといいます。野菜だけでなく果樹や草花も混植し、食用と観賞を兼ねています。ポタジェの語源はポタージュで、中世の修道院でその原料の野菜を院内の庭で作っていたからだといわれています。
 感性豊かな女性の参入が多くなったためか、日本でも菜園をラティスやレンガなどで飾り、カラフルな野菜を栽培するオーナメンタル・キッチンガーデンが増えています。アーティチョークやスイスチャード、コールラビなどの西洋野菜が多く栽培されています。
 コールラビの緑色種と紫色種をおしゃれなテラコッタなどの容器に入れて栽培すると、オーナメンタル・キッチンガーデンになります。日当たりの良い玄関に置くと、すてきなオブジェにもなります。
 コールラビは、コールはコールスローのコールと同じようにキャベツを、ラビは根菜のカブを意味します。和名はカブカンラン(蕪甘藍)、キュウケイカンラン(球茎甘藍)ともいいます。
 種まきは3月から9月までできます。キャベツより強健で、生育期間も短いので栽培は簡単です。
 深さ15cm以上の容器に市販の培養土を入れ、株間15~20cmに5粒の点まきをします。順次間引いて、本葉4枚までに1本立ちにします。球が肥大するときに乾燥させると、肉質が悪くなるので、水やりは朝やって夕に土の表面が乾く程度にします。追肥は1000倍の液肥を1週間置きに施します。
 球が肥大してきたら、球から出た葉は上葉5~6枚を残して下葉を切り取り、球の肥大を促します。球に日が当たり、色が良くなります。
 球径が5~8cmに肥大したら、根元から引き抜いて収穫します。取り遅れると裂球や肉質の硬化が発生します。球の上下の硬い部分を切り落とし、皮をむいて調理します。薄くスライスしてサラダやスープの具にします。酢漬けやソテーなどにも利用できます。


シュンギク(キク科シュンギク属)

土壌医 藤巻久志/JA広報通信より


シュンギクの花を見たことがありますか。
 果菜類は花が咲かないと実が付きませんが、葉菜類や根菜類は花が咲いてしまうと収穫に至りません。普通の栽培ではシュンギクの花を見ることはありません。秋まきしたシュンギクを春まで残しておくと、黄色や半黄半白の美しい花が咲きます。シュンギクはもともと花を観賞する植物で、食用としているのは東アジアだけです。
 シュンギクの収穫方法には、根を付けて抜き取り収穫する「抜き取り収穫」と、脇芽を摘み取り収穫する「摘み取り収穫」があります。「抜き取り収穫」は関西で、「摘み取り収穫」は関東で多く行われています。
 シュンギクの品種は大葉種、中葉種、小葉種に分類されます。「お多福」などの大葉種は主に関西以西で栽培され、脇芽の出が良くないため「抜き取り収穫」されます。全国各地で栽培されている中葉種は、「抜き取り収穫」には株元からの分枝が多い株張り型品種が、「摘み取り収穫」には節間が長く伸びやすい品種が使われています。キッチンガーデンには、脇芽を次々と収穫でき、栽培期間が長い「摘み取り収穫」が適しています。
 シュンギクは発芽も生育も適温が15~20度で、日当たりの良いベランダなら3月から10月まで種まきすることができます。深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、条間15cmに筋まきします。好光性種子なので薄く覆土し軽く押さえ、たっぷり水やりします。発芽するまで乾燥させないようにし、発芽したら順次間引きし、本葉4~5枚のときに株間15cmにします。追肥は1000倍の液肥を1週間置きに施します。
 草丈が20~30cmになったら、下の方の葉を4~5枚残して株の上部を摘み取り、脇芽を出させます。脇芽が15 cmくらい伸びたら順次収穫していきます。


ショウガ(ショウガ科ショウガ属)

土壌医 藤巻久志/JA広報通信より


 戸外で作業ができない冬季に、ストーブやこたつで暖を取りながら、春の作付け計画を立てることをストーブ園芸といいます。種苗会社からカタログを取り寄せると参考になります。掲載されている野菜の大半は、ベランダでも栽培できます。
 多くの家庭の冷蔵庫にはワサビやからし、ニンニクなどのチューブ入りスパイスが常備されています。いつの間にかショウガもチューブ入りを使うようになりました。台所におろし金がない家庭もあります。子どもたちはショウガはチューブの中に入っていると思っているかもしれません。
 春になったら、ショウガをベランダで栽培しましょう。添加物のない、本物のショウガです。塊茎の大きさにより大・中・小ショウガがあり、大ショウガには「印度」、中ショウガには「房州」、小ショウガには「谷中」などの品種があります。キッチンガーデンでは、小ショウガを使用し、筆ショウガ、葉ショウガ、新ショウガと順に楽しむと良いでしょう。
 ショウガは高温を好むので、4月下旬から日当たりの良い所で栽培を始めます。深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、種ショウガを10cm間隔に、芽を上にして植え付けます。種ショウガは前もって、2~3芽を付けて50gほどに分割し、2~3日乾かしておきます。覆土は5cmとします。プランターにビニールを掛け保温すると、発芽が早まります。乾燥と過湿を嫌うので、水やりは朝夕に土の表面が乾く程度にします。追肥は1000倍の液肥を、灌水(かんすい)を兼ねて1週間に1度施します。小まめに増し土をします。
 7~8月に新芽の元に新しいショウガが付くので、種ショウガを掘り上げないように手で押さえて引き抜き、筆ショウガとして利用します。新しい根が少し肥大したら葉ショウガ、初秋に塊茎が大きくなったら新ショウガとして収穫します。




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