あなたもチャレンジ! 家庭菜園

魅力野菜で自家菜園の活性化を

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 一年の計は元旦にありといいますが、とかくマンネリになりやすい自家菜園を活性化するために、今年お薦めしたい野菜の種類や品種、育て方などについて考えてみましょう。
早春から夏にかけて
 一番育てやすくて、冬から春まで長い間取れるのはナバナです。改良品種の「花飾り」などは耐寒性が強く花ぞろいも良く美味です。
 3月植えのジャガイモは、小粒ながら黄金色で味の良い「インカのめざめ」「インカのひとみ」「インカルージュ」の3兄弟で、話題性もあります。ピーマンは苦味や臭いが少なくキュートな小型で、子どもにも好まれる新品種「ピー太郎」、赤・黄・だいだい色をそろえ、平型の「フルーツパプリカ」などで新しい魅力が加わりました。
 大型トマトを立派に作り上げるのは大変難しいですが、耐病性で育てやすくなった「ホーム桃太郎」「桃太郎ホープ」「麗容」などが味も優れています。
 育てやすくてよく取れる5月まきのつる性インゲンはぜひ取り組んでください。品種は古くから味に定評のあるインゲン「ケンタッキーワンダー」などです。しっかり交差させた支柱を立て、つるが伸び始めたら遅れずに支柱へ誘引し、半月に1回、少量の追肥をするだけで、朝夕2回、2カ月ぐらい収穫し続けられ、新鮮な格別な味を楽しむことができます。
夏から秋にかけて
 夏の青物としては、強健で連作にも耐え作りやすい小松菜が一番のお薦めです。身近な菜園なら、抜き取り収穫だけでなく、株をそのまま残して、下の方の葉から1~2枚ずつ葉かき収穫すれば、数カ月以上も長い間収穫し続けることができます。「きよすみ」は強健で夏に強く美味。私の庭先菜園では6月まきで7月下旬から実に8カ月間も取り続け、最後は4月初めにとう立ちしたものを、ナバナ同様におひたしで食べました。
 9月まきの小カブは、色白で色つやが良く肉質が緻密で味の良い「たかね」、大きくなってもす入りせず味の良い強健な「耐病ひかり」、上が赤紫色、下が白色でサラダや酢漬けに好適な「あやめ雪」などがお薦めです。ニンジンは芯までオレンジ色になり甘さと風味に優れ、煮物やサラダにして彩りの良い「ベターリッチ」が魅力的です。
 ネギは味を重視した品種を選び、自家菜園ならではの食味を楽しみたいものです。「九条太」を筆頭とし、「下仁田」「松本一本太」など全国的に在来系の味の良い品種があり、それらを考え選ぶことが大切です。「あじぱわー」(全農で筆者育成)は下仁田と湘南の交雑育種系で、その軟らかな味から直売用として評価されてきました。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

ハクサイの上手な貯蔵方法

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 大きく育ち、固く結球したハクサイは、一斉に収穫するだけでなく、ある程度畑に残して順次収穫し利用したいものです。
 この場合、畑でそのままにしておくと、厳しい霜や寒風のために、球の頂部の柔らかい葉や外葉がカサカサになり、やがてそこから腐って食べられなくなります。防寒対策を施して長い間利用したいものです。
 一番簡単な防寒対策は、霜が降り始めたころ、先に収穫した株の少ししおれかけた外葉を球の頭上に4~5枚覆いかぶせておくことです。少ししおれかけていた方が球になじみやすく風で吹き飛ばされにくいので好都合です。
 畑にある程度長く置く場合は、なるべく多くの外葉で球を包むようにして、ポリテープや細縄などで縛っておきます。元気良く育つと葉折れがひどく、作業しにくいので、多少霜に遭い葉が柔らかさを増してから作業するようにしましょう。
 相当広い面積の畑で多数の株を貯蔵するには、べた掛け資材(長繊維不織布、割繊維不織布)を広げて、頭上に2~3枚重ね掛けするのが効果的です。プラスチックフィルム、特にポリフィルムは、じか掛けにするとその直下は一時的に外気温よりも低くなってしまうので、使用しないでください。
 大面積の栽培での本格的な貯蔵法として囲い貯蔵法があります。これは、ハクサイを畑から根ごと引き抜いて、別の場所に根を下方に向けて密に並べ置き、上に稲わらなどの保温材で覆って寒さから守る方法です。この場合、寒害を受ける前に、通常よりもやや若取りすることが大切です。そして寒害を受ける直前に貯蔵に取り掛かるよう配意します。この方法を上手にすれば、約2カ月も長期貯蔵することが可能です。
 いずれの防寒、貯蔵方法でも、貯蔵する前にアブラムシやアオムシなどが寄生していると増殖してしまう恐れがあるので、事前に薬剤防除をすることが肝要です。
 収穫後に短期間品質を保持するには、新聞紙にくるんで涼しい場所に立てて置くのが簡単です。これで約1週間鮮度を保てます。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

タマネギ苗の上手な植え付け

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 9月に種まきしたタマネギ苗は、10月下旬から11月が植え付けの適期です。5~6mm径に太り、葉がしっかりし、根がたくさん付いた苗を選びましょう。最近は3号ポリポットにじかまきし、十数本立てにしたポット苗も出回り始めました。鉢土を外し、根がしっかり付いた状態で植え付けられるので、お買い得です。
 タマネギは、真冬に入るまでに十分地中に根を張らせ、春には勢い良く育つようにすることが大切です。そのためには元肥を適切に施し、特にリン酸成分(溶成リン肥や過リン酸石灰)を欠かさずに。火山灰土壌では多めに与えておくことが大切です。
 根の性質が野菜の中では特異的で、通気性の良さを好まず、乾燥を嫌うので、元肥に堆肥は与えず、植え付けた後は根元を強く鎮圧しておくことが大切です。油かすや魚かすなどにはタネバエが卵を産み付け、幼虫が根元に食い込む被害が出るので、与えないでください。
 植え付け方法には、8~9cmほどの深さの植え溝を55~60cm間隔で作り、化成肥料と過リン酸石灰などを施して土を掛け、並べて植える列植え方式と、肥料を畑全面に20cmほど耕し込み、幅90cmほどのベッドを作り、植え穴の間隔が15×15cmぐらいの黒色ポリフィルムを敷き、その穴に苗を押し植えするマルチベッド植えがあります。
 列植えは一定の深さに溝を付け、苗を同じ深さにそろえて植えるので、植え付け作業が速く苗の姿勢が良く、株元の踏み付け鎮圧がしやすいです。また生育後期に、列間に後作(インゲンマメ、ラッカセイ、ショウガなど)を作付けすることにより、畑の高度利用ができます。
 一方のマルチベッド植えは、地温を高め、乾燥を防ぎ、雑草を抑止し、肥料の滅亡を少なくする効果があります。ただし植え付け、株元の鎮圧には手間がかかります。
 植え付け作業のポイントは、苗床から苗を抜き取るとき、乾いていたら灌水(かんすい)し、苗の大きさをそろえ、できるだけ根を付けて抜き取り、植えるときは根を下方に向けて深く入るよう植えることです。ベッド植えでは木製の穴開け道具を作り、きちんと植え穴を作り、根を下方に向け深さをそろえて植え、株元を指先で押さえ締め付けておきます。植え付けの深さは根の上に土が2cmほど掛かる程度に。緑葉の部分まで土が掛かるのは深過ぎで、後の育ちが良くありません。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

取れ立ての新鮮な味が格別なサヤエンドウ

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 栽培管理が楽で、失敗も少ないサヤエンドウ。店頭売りでは得られない新鮮さが魅力で、家庭菜園にはぜひ取り入れたい野菜です。
 カロテン含有量が多く、分類は緑黄色野菜。ビタミンC、食物繊維も豊富。使い道はサラダや汁の実、煮物にと広く、飽きずに重宝します。育て方のポイントを列挙します。
 (1)連作畑を避ける。
 (2)まきどきを誤らない。
 (3)冬に株が風で振り回されないよう仮支柱、風よけを設ける。
 (4)伸びだしたつるがよく絡むよう、しっかりした支柱を立てることなどです。
 サヤエンドウは野菜の中でも特に連作を嫌う性質があります。4~5年はサヤエンドウを作ったことのない畑を選びましょう。
 種まきの適期は関東南部以西の平たん地では10月20日前後ですが、これより寒い地域では少し遅く月末ぐらい、暖かい地域では少し早くまくぐらいに差をつけましょう。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うため寒害を受けやすくなります。地域の慣行をよく調べてください。
 サヤエンドウは茎葉が柔らかく、越冬中に株が風に振り回され、茎が折れたり枯死したりしやすいので、草丈が15~20cmに伸びたら短い支柱を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折れにし、下方を土に埋め、簡単な風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして寒風から守ってやります。
 越冬後草丈が20~25cmぐらいになる頃には巻きひげも出るので、早めに支柱を立て、これに絡ませるようつるを誘引してやりましょう。支柱材としては、細枝のたくさん付いたササや、子枝の付いた木の枝などが最良ですが、入手できない場合は、木杭に横竹を渡し、所々に稲わらを小束にしてつるす方法、それらがなければ果菜用の支柱材を立て、横に3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cm)を取り付けるなど、いろいろ工夫してみましょう。
 肥料分は多くは必要ないので、前作に野菜を育てた畑なら、越冬前に畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料大さじ2杯ぐらい、本支柱を立てた後に、畝の反対側に同量を施し、土を盛り上げて畝を形作るぐらいで足りるでしょう。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

茎が球形に膨らみ、見ても楽しいコールラビ

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 茎の基部がカブのように球形に膨らむコールラビ。別名を球形カンラン(甘藍=キャベツ)とも。地中海沿岸地方の原産、葉はカリフラワーに似ていますが、キャベツの原始型ともいわれます。
 日本に渡来したのは明治初期と古いのですが、あまり知られていなかったのは食べ方が分からず、和食に合わなかったためのようです。
 味はブロッコリーの茎の部分に似て、こくがあり、癖がなく、歯応えが良く、適度な甘味もあります。皮をむいて4~5mmの薄切りにし、サラダやあえ物、クリーム煮にしたり、油揚げなどと合わせて煮物にしたりと、アレンジしてみると良いでしょう。ビタミンCはカブの3~4倍、カリウムも豊富で、高血圧を予防し、免疫力を高め、美肌効果も期待できます。生育適温は、15~20度、冷涼な気候を好み、キャベツよりも高温や低温に耐える力があるので、栽培しやすい野菜といえます。
 種まきの適期は6月中旬から8月初旬ぐらいまでの夏まきと、9月上旬から10月上旬の秋まきです。
 畑は前もって石灰と堆肥を全面にまき、15~20cmの深さによく耕しておき、種まきの前に、条間50cm、くわ幅の溝に、元肥として油かす、化成肥料を1平方m当たり、それぞれ大さじ3杯を施し、軽く覆土して、種子を2~3cm間隔にまき付けます。
 発芽したら育つにつれて間引き、最終株間を15~17cmぐらいにします。生育の途中2~3回、化成肥料を追肥しましょう。
 3号ポリ鉢に4~5粒まき、育つにつれて間引き1株を残し、本葉4~5枚の苗に仕上げ、プランターに株間15~17cm植えとし、球形に膨らむ様子を見て楽しむのも良いでしょう。
 球が4~5cmに肥大した頃、図のように球から横に向かって伸びている葉の葉柄を2~3cm残して切り取り、球の肥大を促します。
 収穫は球径が5~6cmに肥大した頃から逐次行います。大きくなり過ぎると肉質が堅くなるので、取り遅れないようにしましょう。
 球の下部、根元付近は堅くて食べられないので、1~1・5cmは切り除いてください。収穫物は新聞紙に包んで冷暗所に置けば4~5日ぐらいは十分持ちます。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

秋から春先まで、新鮮な味と栄養価が魅力のブロッコリー

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 抗がん作用が高いと注目される野菜です。カロテンとビタミンCが豊富で、免疫力アップや抗ストレス効果も。カリウム、鉄、クロムなどのミネラルも含まれています。
 家庭菜園で秋から早春まで長く取り続けるには、品種選びが大切です。頂花蕾(ちょうからい)だけでなく、側花蕾(そくからい)も取れる「頂花蕾側花蕾兼用」品種がお薦めです。
 種まきの適期は7月中旬です。育苗期は高温期に当たりますが、秋の生育適温下で最大成長するので育てやすいのです。頂花蕾は10月下旬、側花蕾は10月下旬から3月ころまで長期間収穫できます。
 育苗は128穴のセルトレイ、少ない本数で良ければ3号ポリ鉢に3~4粒まきとし、育つにつれて逐次間引きし、1本立てにします。
 セル育苗では本葉3~4枚、鉢育苗ではやや大きく本葉5枚ぐらいの苗に仕上げて本畑に植え付けます。育苗期間は暑い盛りなので、苗はできるだけ風通しの良い、涼しい場所を選び、強光時にはよしず、遮光ネットなどで覆い、灌水(かんすい)は朝夕にたっぷり与えるなど、常に目配りし、入念に管理しましょう。
 保水力のある有機質に富む土壌を好むので、植え付ける畑には少なくても半月ぐらい前に、植え畝の中央部に、くわ幅10~12cmの溝を掘り、良質の堆肥と油かす、化成肥料を長さ1m当たり堆肥5~7握り、油かす大さじ7杯、化成肥料同5杯ぐらいを施します。成長が盛んになったら月2回ぐらい、化成肥料を1株当たり大さじ1杯ぐらい追肥します。頂花蕾を収穫したときには多めに追肥し、側花蕾の発達を促します。
 根は湿害に弱く、秋の多雨による病害の発生の恐れがあるので、株元が低くならないよう、特に多雨後の排水に注意してください。
 茎の太さの割に草丈が高くなるので、風当りの強い所では小支柱を立てて転倒を防止しましょう。
 頂花蕾は径12~13cmぐらいで収穫します。茎を長く付け過ぎると側花蕾の数が減るので、短く切り取ります。側花蕾は大きくはなりません。径4~5cmほどで収穫します。いずれも蕾(つぼみ)が大きく膨らむと品質を損ねますので、緑が濃く花蕾が締まっているうちに収穫します。
 アブラナ科の野菜は、苗のうちからアブラムシ、コナガ、アオムシや黒斑病、軟腐病などにやられるので、早期に発見、適農薬を散布して防ぎましょう。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

暑さ寒さに強く連作もできる小松菜

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


  在来のカブから分化した漬け菜の一つ。現在の東京都江戸川区の小松川周辺で盛んに作られていたのでその名があります。
 カルシウムを多く含み(野菜の中でも最多、ホウレンソウの3倍強)、鉄分、ビタミンB、Cなどの栄養素も豊富です。
 あくがほとんどないので、ゆでこぼししないでおひたし、汁の具、ごまあえ、生揚げや肉、魚との合わせ炒め、そして漬物にと幅広く使えます。
 耐暑、耐寒性共にあり、連作障害も出にくく育てやすいので、自家菜園にはうってつけ。周年的に栽培してもよい野菜といえましょう。
 一番のまきどきは8月下旬~9月中旬ですが、後述のように6月中旬からでも種まきできます。
 葉形や彩りの異なる多くの品種、系統がありますが、近年人気が高いのは丸葉で葉に厚みのある葉色の緑の濃い品種(多くはチンゲンサイの性質を取り入れた改良種)です。
 育て方は、野菜の中ではやさしい部類ですが、寒さ、暑さの厳しい時期の良品取りには元肥に良質の完熟堆肥や油かす、化成肥料などを畑全面にばらまき、20cmぐらいの深さによく耕し込んでおくことです。生育の様子を見て、後半葉色が淡く、育ちが遅いようなら、15~20日置きぐらいに化成肥料と油かすを列間にばらまき、くわで軽く土に耕し込んでおきましょう。
 秋はいろいろな害虫にやられやすいので、早めに薬剤散布をしたり、べた掛け資材を被覆して飛来を回避します。
 収穫は通常葉長が22~25cmぐらいになったら株元から抜き取り、または刈り取りします。
 小規模の家庭菜園では葉をかき取り収穫するのも良いです。
 私の場合、やや離れた畑ではなく庭先の小菜園の5m長の畝1列に、6月中旬に種まきし、葉をかき取り収穫し、7月下旬から3月下旬まで8カ月の長い間収穫しています。小松菜はとう立ちするまで節間はほとんど伸びず、株元付近の葉が次々と出てくるので、草姿はいつも低いままなのです。3月下旬を過ぎるととう立ちしてくるので、それもナバナ同様に摘み取って食べます。ほろ苦い、さっぱりした味も良いものです。
 この摘み取り長期栽培の品種としては、サカタのタネの「きよすみ」などがお薦めです。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

高温好みで乾燥を嫌う、サトイモ作りのポイント

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


  山で採れる山芋に対し、人の住む里にできることからサトイモの名があり。原産はマレー半島付近の熱帯の多湿地。日本には中国を経て渡来、稲作以前は日本の主食であったとされる野菜の大先輩です。
 主成分はでんぷん質。加熱すると糊化(こか)し消化吸収しやすくなり、カリウムが豊富に含まれ、意外に低カロリー。体脂肪や生活習慣病が気になる人にもお薦めです。
 親芋が中心にあり、子芋、孫芋がその周りに付くサトイモには、通常子芋、孫芋を食べる子芋用と親芋を食べる親芋用、葉柄を食べる葉柄用があります。
 通常は子芋用の「土垂」や「石川早生」などを選びますが、好みによって親芋用の「京いも」や親子兼用の「八つ頭」、葉柄用の「蓮芋」なども用います。
 サトイモは連作障害が出やすい野菜なので、少なくとも3~4年作ったことのない場所を選んで栽培しましょう。
 高温性で生育適温は25~30度、植え付けは十分地温が上がってから、植え付けの深さは7~8cm。植え付けたら畝上にポリマルチをし、地温の上昇を図ります。
 マルチの下で、芽が伸び始めたら遅れずにフィルムを破り芽を上にのぞかせます。
 芽が勢い良く伸びだしたら、太い芽1本だけを伸ばし、小さな芽は早いうちにかき取ります。土寄せ前なら芽を倒して土で埋めてしまうのも良い方法です。
 本葉が5~6枚になった頃、畝の通路側に肥料(1株当たり油かす大さじ3、化成肥料大さじ2が目安)をばらまいて、土と混ぜ合わせながら株元に土寄せをします。
 マルチフィルムは片寄せして作業し、再び覆います。土寄せの厚さは4~5cm程度にし、2~3週間置きに3回ほど行います。第2、3回の土寄せの前にも第1回同様に追肥しますが、葉が茂り過ぎなら肥料は控えめにしてください。第3回はマルチを除去して作業します。あまり遅くまでマルチをしておくと高温と乾燥のために芽つぶれやひび割れなど、子芋の障害の原因になるので注意します。
 サトイモは日照り不作といわれるほどに、夏の乾燥には弱いです。降雨が少なく、土が乾き過ぎるようでしたら灌水(かんすい)を心掛けましょう。
 例年乾きが激しい畑には作付けしない方が良いでしょう。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

ナスは栄養診断による管理で収量が倍増

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 漬けて良し煮て良し、焼いたり揚げ物、生食にと、ナスは大変使い向きの広い野菜。干しナス、焼きナスにすれば長く保存ができることも分かり、いっそう魅力を高めてきました。高温好みなので、強い日差しを受けると紫黒で形の良い果実が連続して収穫でき、大いに食卓をにぎわせますが、次第に株の勢いが弱まり、実止まり悪く、取れなくなり、品質も低下してきます。
 これはいわゆる「なり疲れ」で生育が不調になってきたからです。
 私たちが、お互いに人の顔色やしぐさを見れば健康状態を推測できるように、ナスの健康状態も、葉色や草姿、花などをよく観察すれば容易に栄養状態を診断することができるのです。
 その一番のバロメーターは、図のように花の付く位置と花の形、葉や花の大きさと色具合です。特に花の中を見て、雌しべが雄しべより短い「短花柱花」は、ほとんど落ちてしまい実止まりしません。健全な場合は、花の開いた先に4~5枚の葉が開いていますが、栄養不良株では1~2枚しかない状態になります。畑全面を見渡して花がよく見える状態は、栄養不良といってもよいのです。
 対策としては、まず果実を若取りして株の果実負担を軽くしてやることです。そして追肥で栄養を補給し堅くなった通路付近の、根が伸びる先の方にくわを入れ、軽く耕し通気を図り、乾いていたら灌水(かんすい)や敷きわらをして、吸肥をしやすくしてやることです。
 こうすると数日を経ずして草勢に回復の兆しが表れ、健全な「長花柱花」が多く咲くようになり、茎葉もしっかりして、上方の葉の枚数も増え、よく実止まり、果実の太りも早まり、色つやの良い果実がたくさん取れるようになってきます。
 「なり疲れ」は、ナスの一生の中に3~5回現れることが分かっているので、常に観察を怠らず、早めに発見、対処して軽減するようにしてください。収量の倍増、品質の向上は必ず達成できます。
 もう一つ、生育盛りに入り茎葉が込み過ぎると、日射不足のため果実の色づきが悪くなり、病害虫も発生しやすくなります。その対策として、果実に木漏れ日が当たるぐらいに、余分な葉を摘み取ったり、枝を整理することも大切な手立てとなります。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

上手に育てておいしく食べようズッキーニ

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 ズッキーニはカボチャの仲間ペポ種の一つ。節間が短縮されつるとして伸びないので「つるなしカボチャ」とも呼ばれます。「サマースカッシュ」の別名もあります。
 日本へは50余年前に導入されましたが、当時は食習慣になじまず、利用は伸びませんでしたが、さまざまな洋風料理に向くことが分かり、近年人気が高まってきました。
 主力はキュウリのように長形で緑色でしたが、近頃は図のように黄色や球形など、色、形の異なる新品種も種々出回るようになり、需要を大きく伸ばしてきました。
 種のまきどきは4月中旬~5月上旬です。カボチャに準じて3~3・5号のポリ鉢に2~3粒まきとし、育つにつれて1本立てにし、本葉4~5枚に育てて畑に植え出します。
 茎は短縮され、葉は大型で株元付近が込み合った状態に育つので、元肥の窒素成分は控えめに施し、株間60cm、畝間180cmと広めに植えましょう。また、葉が込み合いがちなので多湿を嫌います。畑は排水の良い所を選び、畝を高めに作り、ポリマルチをすることが大切です。
 葉が大きく、葉柄は太くて中空なので、風に振り回されたり反転しやすく、その傷口から病原菌が入る場合が多いので、図のように短い支柱を株元に、茎を挟むよう交差させて立て、ひもで結んで固定します。
 生育が旺盛になり葉が込み合うようになってきたら、株元付近の葉を1~2枚ずつ、果実も適宜間引き、健全に育てます。肥大する果実が多くなってきたら、半月に1回ぐらい化成肥料と油かすを追肥します。
 果実は短縮した茎の各節に付き、開花後の肥大は早いので、長形果種は長さ20cmほどに、球形果種は径6~8cmぐらいになったら遅れずに収穫しましょう。
 ハウス栽培では早い時期には雄花を探して人工授粉することが必要ですが、露地栽培では昆虫が活動するので、放任しておいてもよく実止まりします。降雨が続いたりして多湿になると、花弁がしおれて果実に付き、腐ることがあるので、花弁を早めに取り除きます。
 代表的な食べ方はトマトやナスなどと一緒に煮込むラタトゥイユ。油で一度炒めてから煮込むとカロテンの吸収も良くなります。
 簡単なのは輪切りにしてバターで炒めてチーズの付け合わせに。ゆでて塩とレモン汁を振ってサラダに。縦に薄く切って帯状にし、ゆでてサーモンやトマトなど彩りの良い材料を巻きオードブルに。その他グラタン、唐揚げ、ガーリック炒めに、さらには開花中の花弁を花ズッキーニにと、用途は限りなく広がります。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

葉をかき取りながら長い間収穫できるサンチュ

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 サンチュというのは韓国名で、わが国ではカキチシャまたは包菜(ほうさい)と呼ばれます。
 カキチシャの名の通り、大きく育った葉を下の方からかき取り収穫するのですが、その後茎が伸びて葉を増やすので、それを順次上の方に向かって、長い間取り続けることができるのです。1株から数カ月にわたり、数十枚もの葉を取ることができ、大変重宝します。利用に当たっての大きな特色は、葉が平滑で葉脈が柔らかく、曲げても破れにくいことです。そのため焼き肉や刺し身を包んで食べることができます。もちろんサラダやトッピング、バーベキューの材料にもよく合うなど、幅広い使い向きが魅力です。
 1株当たりの収量が多いので、育てる株数は少数でもよいので、庭先のミニ菜園やプランターでも十分間に合うし、栽培も容易で、家庭菜園向きのお薦め野菜です。プランターでは青、赤を混植すれば彩りを楽しむことができます。
 種まきの適期は4月中下旬と8月中旬です。3号のポリ鉢に、良質の育苗用土を詰め、4~5粒まきとします。覆土はごく薄くし、発芽までは新聞紙で覆い、乾かないよう灌水(かんすい)に注意します。発芽ぞろい後逐次間引いて1本立てとし、本葉4~5枚に育てて定植します。
 生育期間が長いので、元肥には良質の完熟堆肥を十分施します。植えつけ後は生育の様子をよく観察しながら15~20日に1回ぐらい、1株当たり油かす小さじ2杯、化成肥料小さじ1杯を株の周りにばらまき、軽く土に混ぜ込みます。葉の伸びが遅くなったら液肥を所定濃度に薄めて灌水代わりに施すと肥効がよく表れます。
 収穫は葉の長さが20cm内外に育ったら、下の方の葉から順次手でかき取るようにして行います。1回に取る葉数は、通常1株2~3枚以内と考えてよいですが、その時点での草勢を見て適宜調整してください。収穫を重ねるごとに茎は太くたくましくなり、胸の高さ以上にもなります。良質の取り立ての葉は直売所でも人気商品となること請け合いです。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

多年生でジャムにして最適なルバーブ

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 ルバーブはシベリア南部が原産のタデ科の多年生野菜です。一般に知名度は低いものの、ギリシャ、ローマでは紀元前から医薬品として栽培されていたとされる野菜で、ヨーロッパやロシア、特にスイスの山地の自家菜園ではよく見られます。
 強い酸味はジャムに最適。その他に砂糖漬け、シャーベットなどにも利用できます。使い方が分かれば、村おこしの産品としても魅力があります。
 草丈は50~60cm、葉幅30~35cm、葉柄の太さが3~4cmにもなる大株に育ちます。一度植えておけば、冬には葉枯れしますが、翌年再び勢いよく伸び、長年そのまま栽培できるほど強健な野菜です。
 紅茎種と緑茎種がありますが、紅色の色濃い物が望ましいです。「ビクトリア」「マンモスレッド」などがありますが、国内では品種ごとには手に入りにくいので、単にルバーブとして販売されている物、ネット通販などで、種子または根株として買い求めます。一番簡単なのは2~3月ごろに栽培している人から根株を分けてもらい、畑に植え付けることです。
 種子から育てる場合には、十分暖かくなった3月中旬~4月中旬に種まきし、本葉5~6枚の苗に育てて畑に植え付けます。寒さと乾燥には強いが、耐暑性は弱く、耐湿性も低いので、気候が冷涼で排水良好な場所が一番好適です。
 大株に育つので、十分間隔を取り、畝幅90cm、株間50cmぐらいの疎植にしてください。畝の中心に深さ25~30cmの元肥溝を掘り、完熟堆肥と油かすを施し植え付けます。夏~秋の生育中に2~3回、油かすと化成肥料を追肥します。7月ごろにとう立ちし、やがて白い花をにぎやかに咲かせますが、このように放任しておくと草勢が衰えるので、とう立ちし始めたころ早めに摘除しましょう。
 収穫は、5~6月の生育盛りには2週間に1回ぐらい、葉の付け根から2~3枚ぐらいずつ行います。梅雨明けごろから生育が鈍るので、徐々に収穫を減らしていきます。
 利用するのは赤紫色の葉柄の部分です。黒色フィルムを被覆して軟化処理をすると葉柄の赤色が鮮やかになり、品質が良くなります。
 なお、広い葉の葉身の部分にはシュウ酸が多く含まれているので、利用はできません。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

多年草のニラは春先に株分けして若返りさせる

板木技術士事務所:板木利隆 / JA広報通信より


 ニラは中国西部の原産。北はモンゴル、南はマレーシア、ベトナムまで、アジアの地域で古くから栽培されていました。強い香りのもと、硫化アリルはビタミンB1の吸収率を高め、糖の分解を促進、血行を良くし体を温め、胃腸の働きを助けるので、風邪予防や回復にも効果的、抗酸化作用によるがんの抑制効果も期待できます。
 強健な野菜で、一度植えれば毎年、年に数回も刈り取りできるので、狭い家庭菜園にもうってつけです。
 しかし、いくら強いといっても2~3年取り続けると、株が密になり、幅広で厚みのある良質の葉が収穫できにくくなります。そうなる前に株分けし、更新を図ることが大切です。
 株分けの適期は、越冬後の1月下旬~3月上旬にかけてです。ニラの育ちを観察すると、冬に入ると葉が次第に枯れ、休眠状態に入りますが、この休眠が覚め、新しい小さな芽が働き始めた頃を見計らって株分け作業をするのです。この頃は根株に栄養がたっぷり蓄えられていて、断根や分割という荒療治をしても傷みが少なく、作業もしやすいからです。
 株分け作業は、まず残っている枯れ葉を、地上5cmほどの高さできれいに刈り取ります。そして株の周りにくわかシャベルを大きく打ち込み、根株を掘り起します。株元には強い細根が密に張っているので、全部を掘り取るわけにはいきませんが、中ほどで切断するようになっても一向に構いません。
 掘り上げた株は土を落とし、指先に力を入れて大まかに割り、さらに小割りして図のように1株ずつに分けます。
 新しい畑への植え付けは、条間80cm、深さ10cmほどの植え溝を掘り、元肥として堆肥、油かす、化成肥料を施し、5~6cm土を戻してから図のように、2~3株まとめて、20cm間隔に植え付けます。植えるときには根株を束状にまとめず平置きにするのが良いです。覆土は株の上部が少し出るぐらいにとどめ、やがて新葉が伸びだしてきたら、葉先を埋めないよう注意して、2回ほど覆土し、溝が全部埋まるようにしてください。
 こうすれば2~3カ月後には見違えるほど良質の葉が成長してきます。収穫は葉長20cmほどに伸びたときから繰り返し行います。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

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