私の食育日記

パンとご飯 

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 パンとご飯。食事の主食としてよく比較されるこの二つですが、実は、比較するには違和感があるほどの違いがあります。それは、ご飯は収穫された新鮮なお米、いわば生鮮食品に水分を加えて炊くだけの物。一方、パンは、小麦に砂糖や塩、油脂などを加えて作る加工品です。そのため、ご飯とパンではカロリーはさほど変わりませんが、パンの方が脂質は多く、加工品な分その他の添加物も増えてしまいます。また、ご飯の場合、お米を粒のまま食べるので、口の中で粒をすりつぶして食べます。そのため、かむ回数が多くなり、消化にも時間がかかり、腹持ちが良くなります。一方パンは小麦を細かくすりつぶした物なので、あまりかまなくても消化できてしまいます。日本にはおいしいお米がたくさんあり、基本的にはご飯を主食にしたいと考えています。
 しかしながら、子どもたちはパンも大好き。母にとっても、特に忙しい朝は、自分でパクパク食べてくれるパンはありがたい存在です。そこで意識しているのが、パンを作るとき、軟らかくて砂糖がたっぷりのパンよりも、砂糖や油脂が少ないフランスパンなどのハード系のパンを中心にすることです。硬めのパンならば、かむ回数が増えますし、軟らかいパンにジャムを付けて食べるよりは、フランスパンなどに、チーズやハム、卵をのせて食べてくれた方が糖質も抑えられます。それでも軟らかいパンが食べたいと言われたときは、全粒粉を加えたパンにしています。全粒粉には不足しがちな鉄分が多く含まれ、食物繊維も豊富です。
 食事には、体に良い物を食べて健康的な体をつくるという役割の他に、大好きな物を食べて幸せを感じるという心の健康をつくる役割もあると思っています。だからこそ、毎日の食事では、こだわり過ぎず、でもちょっとの工夫で少しでも栄養バランスの良い食事になるようにと心掛けています。

体を中から温めよう 

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 本格的に寒い季節がやって来ました。それでも、わが子の幼稚園ではできるだけ薄着が基本。気温が15度になっても半袖で登園することもありますし、真冬でも長袖のインナーは禁止です。特に、秋にはできるだけ半袖で登園させてくださいと言われていました。これは、冷たい空気を素肌で浴びることで、子どもの体が季節の変化を感じて、自らの体を温めようとする力が働き、寒さ暑さへの対応力が身に付いていくそうです。わが子にも、厚着や暖房に頼り過ぎず、自らの力で体を温める強さを身に付けてほしいと思います。
 食べ物にも体を中から温める力があります。代表的なのが、冬の旬であるレンコンやゴボウ、ショウガなどの根菜です。根菜は体を冷やす水分が少なく、血行を促進してくれるビタミンや、代謝を高めてくれるミネラルが豊富に含まれる物が多いためです。また、ニンジンに多く含まれるビタミンAは粘膜を正常に働かせる力があり、抵抗力を高めてくれます。これら根菜は、長時間加熱が向いている物が多いので、寒い時期、スープやみそ汁を作るとそれだけでぽかぽかメニューになります。またみそや塩こうじなどの発酵食品も血行を促進し、体を温めてくれます。さらに、人間は免疫力の約70%が腸にあるとされています。そのため、腸の調子を整えてくれる発酵食品や食物繊維をしっかり取ることが免疫力を高めることにつながるので、風邪をひきやすい冬には意識的に使うようにしています。
 免疫力を高めてくれる栄養にビタミンDがあります。これはきのこ類やサケなどに多く含まれますが、食事から摂取できるのはわずか。主に太陽の光を浴びることで、体内で作られます。寒い冬こそ、子どもたちには、中からしっかり体を温めて、外で元気いっぱいに走り回り、寒さに負けない体をつくってほしいと思います。

旬を楽しむ季節風呂 

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 春夏秋冬の四季があり、季節ごとにおいしい食の旬があるのは、日本の魅力的なところです。そしてもう一つ日本といえばお風呂。私は温泉が大好きで温泉ソムリエという資格を取得し、温泉の楽しみ方を広めていく活動もしています。
 四季を大切にする日本は、お風呂でも四季を楽しみます。有名なのが冬至に入るゆず湯。お風呂にユズを浮かべてとってもいい香り。子どもたちも大はしゃぎです。ゆず湯に入ると風邪をひかないと言い伝えられています。これはユズに含まれるリモネンがリラックス効果とともに血行を促進する効果があるとされ、体を温め、冷えを防いでくれることからいわれています。
 ゆず湯の始まりは、ユズが旬である冬の「冬至」と「湯治」を掛け合わせたという説もあって、日本人の旬を大切にする文化がうかがえます。この冬至にゆず湯に入るという習慣は江戸時代ごろから始まったそうですが、季節の旬の植物をお風呂に入れるという習慣はさらに昔からあったといわれています。
 今でも、ゆず湯の他に、端午の節句のしょうぶ湯も有名です。他にも月ごとに季節風呂というものがあります。寒い2月は、干したダイコンの葉を入れる大根湯。干したダイコンの葉には、塩化物や硫化イオンが含まれ、まるで温泉のようです。わが家では冬に喉がイガイガして風邪の気配があると、ダイコンに蜂蜜を入れてしばらく置いた物をお湯で溶いて飲んでいます。旬の野菜には中からも外からも体を元気にしてくれる力があるのですね。
 季節風呂には他にも1月の松湯、10月にはしょうが湯、11月はみかん湯などがあります。冬は体を温める効果がある物、夏は発汗を抑える物と、その時期の体調に合わせた内容になっているのもすごいところです。
 最近では1年中食べられる野菜も増えてきましたが、旬を大切にし、四季を感じる力だけは、子どもたちにも養ってもらいたいと思います。

電子レンジ調理

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 毎日のご飯作りの助けとなってくれるのが、電子レンジです。お鍋を出して、お湯を沸かしてゆでて、と作業するよりずっと簡単に調理できます。私も子どもたちの温野菜や、あえ物などのプラス1品は電子レンジ調理でさっと済ませています。
 電子レンジは米国で商品化され、1970年ごろから日本でも販売されるようになりました。電子レンジとは庫内からマイクロ波を出し、食品に吸収されたマイクロ波の振動に連動して食品中の水分子が誘電分極し、これにより食品の中で発熱するという仕組みです。難しい話になってきますが、要は食品に含まれる水分を使って自ら発熱しているのです。そのため、加熱する物の水分が重要な役割を果たしてきます。
 野菜を軟らかくするのにも便利なレンジ。例えば、ジャガイモを電子レンジで加熱するとき、簡単に軟らかくできますが、加熱し過ぎると硬くなることがあります。これはゆでるのと違って電子レンジ調理の方が、急激に温度が上昇するため、水分の蒸発が盛んになってしまうからです。特に少量の調理の場合は加熱のし過ぎに注意が必要です。また、体積の大きい物は内部にマイクロ波が到達しにくく、表面だけが高温になり、加熱むらができやすいので、私は、ジャガイモは切ってから耐熱容器に入れ、少し水も加えて電子レンジ調理しています。
 食塩を含む物を加熱すると周辺部分に電磁波が集中しやすくなり、加熱むらが生じやすくなります。ソースなどを作るときは、味を調える塩・こしょうはレンジ加熱の後に、また、炒めタマネギをレンジで作りたいときは、耐熱容器にタマネギに油と、塩ではなく少しお砂糖を入れて加熱しています。
 料理の一手間をちょっと電子レンジに頼るだけで、簡単に短時間で済ますことができます。レンジの特徴を知っておけば使うタイミングを自分なりにアレンジできますね。


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