私の食育日記

おみそ汁が強い味方

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 1歳半の娘の大好物はおみそ汁です。まだ味付けは薄めですが、一滴も残すまいと一生懸命飲んでいます。このおみそ汁、親としてはとっても助かる一品です。お野菜だけでなく、お肉にお魚、とにかく何でも具になります。煮ることで溶け出してしまう栄養もおみそ汁なら丸ごと飲んでくれます。そして、何より毎日食卓に出せる、とってもありがたい存在です。
 おみそ汁は、鎌倉時代にすり鉢が使われるようになり、粒のみそをすりつぶして水に溶くことができるようになったことから生まれたそうです。鎌倉時代の禅寺で生まれ、ここからお寺の精進料理は発展していきます。その後、一汁三菜の日本食には欠かせない存在となりました。
 みそは、主原料である大豆をつぶして、塩とこうじを加えて熟成させて造られます。このとき重要なこうじを、米から造る物を米みそ、麦から造る物を麦みそ、大豆から造る物を豆みそといいます。日本では約8割が米みそですが、愛知県の「八丁みそ」は豆みそですし、九州地方では麦みそが一般的で、有名な冷や汁などは麦みそで作られています。
 みそを造る過程で、コウジカビの酵素により、大豆のタンパク質はペプチドとアミノ酸に分解され、でんぷんはアルコールや有機酸に分解されます。そのことで、うま味成分や香り成分が生まれ、みそのおいしさができていきます。また、主原料である大豆自身が良質なタンパク質ですが、この発酵される過程で、さらに体に大切な必須アミノ酸や、ビタミンが含まれていきます。他にもミネラルや食物繊維など、おみそは栄養が盛りだくさんです。おみそ汁の塩分が気になるという場合は、塩分の排出を助けるカリウムをたくさん含む具材、ワカメやホウレンソウ、ジャガイモ、きのこ類などを加えると良いと思います。
 大好きなおみそ汁を通して娘が、いろいろな野菜を好きになってくれるよう毎日奮闘中です。

とろみつけ

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 娘も1歳半となり、いろいろな物が食べられるようになりました。でもまだ歯は前歯だけ。そのせいか、繊維の多い物、形の残りやすい物はうまくかみ切れないようです。そんなとき、少しだけとろみをつけてあげると食べやすくなります。
 とろみをつけるときに、代表的なのが片栗粉です。片栗粉は、もともとはカタクリという草の根茎から作られていたそうですが、いまはジャガイモから作られています。このとろみは、でんぷんに水を加えて加熱していくと粘度が上がり、のり状になっていく性質を利用しています。
 片栗粉以外にも、でんぷんの粘性を利用して調理に使われている物がたくさんあります。トウモロコシから作られるコーンスターチや餅米のでんぷんで作られる白玉粉。他にも、ワラビの根茎のでんぷんを利用して作られるわらび餅、キャッサバという芋のでんぷんから作られるタピオカなどもあります。この中で、片栗粉はとろみがつき始める温度が低く、すぐに粘度が上昇するため、一番身近に利用されています。
 コーンスターチは片栗粉よりはとろみはつきにくいですが、片栗粉は温度が下がると粘度が減少してしまうのに対して、コーンスターチは冷やしてからも粘度が上昇します。そのため、カスタードクリームなど、冷やして食べる物のとろみつけに向いています。
 普段の調理の場合は、でんぷん粉がなくてもとろみをつけることができます。例えば、小麦粉。カレーやミートソースを作るとき、炒める際に小麦粉を入れてとろみをつけます。また、生のジャガイモやレンコンをすりつぶして入れ、加熱すると、とろみがつきます。他にも、モロヘイヤやオクラなど、ねばねば野菜を刻んで加えてとろみをつけてもまた違った味わいになります。
 いろいろな味を体験してほしいこの時期。とろみつけも、いろいろな食材を使って毎食変化を付けてみたいと思います。

食品に付くカビを防ぐ

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 わが家の朝食はパンを焼いています。そのパンに付けるジャムを選ぶのが息子の朝の楽しみです。しかし親としては糖分の取り過ぎや虫歯も気になるので、甘さ控えめで手作りするか、買うときもできるだけ糖度の低い物を選ぶようにしています。そうするとどうしても日持ちがしなくなります。先日も旅行から戻ったら、息子が大事に食べていたジャムのふたにカビが生えていました。こうしたジャムやパンなどの食品に付くカビ。梅雨時だけでなく秋にも多いとされています。
 カビは一つ一つは肉眼で見ることができません。目に見えているのは、カビがたくさん集まった集合体です。つまり、目で見えるほどカビが生えているということは、目で見えないカビもたくさん潜んでいる可能性があるのです。そんなカビの中にはカビ毒と呼ばれる、体に害を与える物があります。カビを長期間摂取した場合、発がん性があることが分かっています。また、カビ毒は熱にも強いので加熱したからといってカビ毒がなくなるわけではありません。少しでもカビが生えてしまったら食べないことをお勧めします。
 カビが生えるには温度、水分、酸素、養分が必要です。カビは25度前後が最も生えやすいとされますが、マイナス5度ぐらいまでは生育できるため、冷蔵庫中でも生えてしまいます。また、糖分や塩分が多くなると逆に生えにくくなるので、ジャムの場合は糖度の高い物の方が、カビが生えにくくなります。しかし、一度開けて空気に触れてしまうとどうしてもカビが生える可能性があります。開けたら早めに食べるようにしましょう。早く食べ切れない場合はジャムを小分けにして冷凍しておくのもお勧めです。
 本当に恐ろしいイメージのカビですが、私たちが普段食べているみそやしょうゆもカビを使って製造しています。おいしいカビだけいただきたいですね。

味比べパーティーで味覚のお勉強

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 わが家で最近はやっているのが味比べパーティーです。もともとはパパが大のトマト好きで、いろいろな種類のトマトが食べてみたい! と、ミニトマトから大きいトマトまでサイズもいろいろ、赤だけでなく黄色や緑と色もいろいろ、「桃太郎」にファーストトマトと品種もいろいろ、たくさん食卓に並べみんなで食べ比べてみたのが始まりです。4歳の息子も一緒になって、「これが一番甘いね」とか、「この辺は酸っぱくて、これが甘じょっぱい!」とか、彼なりの言葉で表現しています。これって立派な食育になっていると気が付きました。
 私たち大人より子どもの方が味を認識する味蕾(みらい)がたくさんあり、味覚は敏感です。乳幼児の頃にはこの味蕾は1万個ほどあるといわれ、この時期は味に敏感過ぎてミルクやおっぱい以外を口にするのは味覚的にもきついそうです。そして味に鈍くなり始めた頃にちょうど離乳食が始まるといわれています。その後は減少し、高齢者といわれる頃には、約3000個になるそうです。たばこや嗜好(しこう)品、味の濃い食事を続けることで味蕾は減少しやすくなることが分かっています。
 しかし子どもは、味に対する経験値は大人より未熟です。なので、こうやって味比べをすることで、味覚への意識が高まり、まさに味覚のお勉強になるのではと思いました。
 トマトだけでなく、白米をいくつかの銘柄で比較してみたり、全国のご当地うどんの味比べをしたり、最近では家で作っている食パンの強力粉を、「はるゆたか」と「ゆめちから」と、種類ごとに焼いて味比べをしてみたりしています。同じ物がたくさん並ぶせいか、息子はいつも大はしゃぎです。味だけでなく、歯触りや香りの違いにも意識が向くよう、これからもいろいろな味比べパーティーをしてみようと思います。


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