私の食育日記

カルシウムの吸収率

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 わが家の娘が1歳になりました。乳児期を卒業してこれからは幼児期。食事も母乳中心から食事中心にステップアップしていくときです。
 そこで気になるのがカルシウムです。カルシウムは生後6カ月ごろまでは母乳からの摂取で十分とされていますが、それ以降は食事からも取り入れていかなければなりません。1日の摂取で推奨されている目安量は1~2歳で男子が450mg、女子が400mg、3~5歳で男子が600mg、女子が550mgです。
 体内においてカルシウムは約99%が骨と歯に含まれます。残りの1%は血液中に含まれ、こちらも重要な役割を果たしています。カルシウムが不足すると骨に貯蔵されているカルシウムを使ってしまうので、骨が弱くなってしまう、また成長不良を起こしてしまうことがあります。
 このカルシウムですが、食品中に含まれている全てを体内に吸収できるわけではありません。比較的吸収率の良くない栄養分で、牛乳中のカルシウムで50~60%。つまり牛乳100gにはカルシウム110mgほど含まれますが、体内に吸収できるのは55mgから66mgほどなのです。それでも牛乳はカルシウムの吸収を助ける成分が含まれているため吸収率は高く、小魚なら30%、野菜では20%ほどです。
 カルシウムは食品に含まれるリン酸と結合して溶けにくくなってしまい、吸収されにくくなります。リンはインスタント食品や加工品に多く含まれます。効率良く吸収するためには、リン酸を取り過ぎないよう注意し、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDも一緒に取ることです。カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚、野菜などに多く含まれ、ビタミンDはレバーやイワシ、サケなどの魚、卵黄などに含まれます。
 ちなみにカルシウムは年齢が高くなるにつれ吸収率が下がるといわれています。大人も子どもに負けず、しっかりとカルシウムを吸収していきたいものです。

新ジャガ、新タマネギの季節

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 この頃になるとスーパーでつい手に取ってしまうのが、新ジャガイモ、新タマネギです。
 暖かくなりだすと目にするこの新ジャガイモ、新タマネギ。通常、ジャガイモやタマネギは、収穫した後貯蔵され、その後一年中安定的に出荷されています。しかし、この新ジャガイモや新タマネギは収穫してすぐに出荷されます。また、新ジャガイモは通常より早めに収穫され、小粒で皮が薄くみずみずしいのが特徴です。新タマネギは通常のタマネギのように乾燥をさせていないので、柔らかく、辛味も少なくなります。まだまだ味付けもせず野菜本来の味を知ってもらいたい離乳食の時期には、この新ジャガイモと新タマネギはうれしい存在です。
 栄養面に注目していくと、新ジャガイモは普通のジャガイモよりもビタミンCが多く含まれます。さらに野菜は皮の近くが最も栄養が豊富な部分。皮が柔らかい新ジャガイモならば皮ごと食べられるため、より無駄なく栄養をいただくことができます。また、タマネギの栄養といえば、辛味成分である硫化アリルです。これはビタミンB1の吸収を助けてくれる他、血液をさらさらにして動脈硬化を抑えてくれるといわれています。そんな硫化アリルは水に弱いため、タマネギの辛味を取ろうと長く水にさらすと、この硫化アリルも水に溶け出してしまいます。また熱にも弱いため、生で食べることができる新タマネギは、タマネギのいいところを丸ごといただくことができます。加熱するときは油を使う方が成分を残したまま食べることができます。
 この二つに共通することは通常のものより水分量が多いということです。そのため、長期保存は向いていません。買ってきたら袋から出し新聞紙などでくるみ、風通しが良く、光の当たらない冷暗所への保存が必要です。取れたての野菜は、できるだけ早くおいしいうちにいただきたいです。

離乳食の踏ん張りどころ

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 生後10カ月になる娘の離乳食が、最も大変な時期に入りました。どんなにベルトをしてもいすから立ち上がる、自分で食べたがるため、食べ物は飛び散り、お皿は飛ばされ、食事後には娘は髪の毛から足元までご飯粒が付いています。ママ友が、食事後は親の方がぐったりしていると話していたことを思い出しました。
 わが娘も目を離すといすに立ち、テーブルの上を荒らし、毎日ハラハラです。しかし、この時期にいすから落ちてしまったら危ないからとローテーブルで食べることに変更した友人が、その子は3歳になった今でもいすに座ることを嫌がり、親の膝の上に座ったり、動き回ってしまうと話していました。それを思うと、今は親の踏ん張りどころ。一度座ったら私が離れることがないように準備を整えて、上の子にも協力してもらい、付きっきりで食事をしています。立ち上がるたびに、「ご飯のときは座ろうね」と声を掛けて座らせる、この作業を1回の食事に10回以上行っていますが、今は初めての食事のお勉強。この繰り返しで学んでくれると信じています。
 もう一つ大変なのが手づかみ食べ。まだ上手に食べられないため荒らし放題ですが、この時期の手づかみ食べは脳の発達に良いといわれています。なので、ここも踏ん張りどころ。親が口に運んでしまえば汚れずに楽ですが、できれば子どもが手で食べられるメニューを一つは用意してあげましょう。テーブル周りは汚されてもいいようにレジャーシートを敷いています。そしてどんなにぐちゃぐちゃにしても食べる気があるときは見守り、遊び始めたら終わりにすると決めています。
 毎食が本当に大変な時期ですが、これを乗り切れば子どもの成長を感じられるはず。また、この時期はまねっこが上手なとき。親が向かい合って座り、一緒に食べてよくかむのを見せる、それだけで確実に学んでくれているはずです。

美しく箸を使えるように

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 日本人の食事方法といえば箸での食事です。箸をきれいに使って食べることは和食の美しさの一つのように思います。しかし、最近では小学生の8割近くが正しく箸が持てていないといわれています。大人でさえ、箸を正しく持てない人が増えてきているようです。和食がユネスコ無形文化遺産の今、箸の使い方も大切にしていきたいです。
 3歳になる息子もただ今箸の練習中です。最初はうまく使えず思うように食べられないため、箸を使うことを嫌がる時期もあります。それでも、食卓には必ず箸を出すようにし、関心を持ったら懲りずに練習してもらう、その繰り返しが大事だそうです。遅くとも小学校に入ったら、正しい箸の持ち方ができるように練習する方が良いそうです。先延ばしにしてしまうほど大人になってからも正しい箸の持ち方ができなくなってしまいます。また、箸を使うようになったら必ず家庭でも箸置きを使うように心掛けましょう。箸置きを使わないと「渡し箸」という茶わんなどの中央に橋を架けるように箸を置く、やってはいけない箸使いになってしまいます。
 箸の使い方には他にもやってはいけないことがあります。料理に刺して使う「刺し箸」。料理をたくさんつかみ、箸で口の中に押し込む「押し込み箸」。箸の先をなめる「ねぶり箸」。箸を使って器を引き寄せる「寄せ箸」。箸をあちこち動かしてどの料理か迷う「迷い箸」。汁をたらしながら料理を取る「涙箸」。おかずばかりを食べて間にご飯を食べない「移り箸」などです。
 たくさんのマナーがあって毎日の食卓で気にするのは大変なことに思えますが、毎日あるからこそ無理せず少しずつ身に付けていくことができます。家での箸のマナーは、そのまま外でのマナーとなっていきます。幼い時期から家庭で、美しく箸を使うことを学んでいってほしいものです。

冷凍保存を上手に活用

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 まとめ買いや、食材を使い切るために多く利用されるのが冷凍保存です。食べるのは少量でありながら、いろいろな物を食べてほしい離乳食にとっても、冷凍保存は強い味方です。冷凍保存は、味や栄養を保持しやすい保存方法です。しかしながら、冷凍中まったく劣化をしないわけではありません。特に、市販の冷凍食品のように食品に合わせてマイナス30度ほどで急速冷凍している場合と違い、庫内の温度がマイナス18度からマイナス20度の家庭用冷蔵庫での冷凍は、時間のかかる緩慢凍結しかできないため凍結方法の工夫が必要です。
 冷凍によって劣化しにくいのは、糖質、タンパク質、ミネラルです。糖質であるでんぷんを多く含む白飯は、マイナス20度以下では老化は少ないことが分かっています。白飯やパンなどに含まれるでんぷんは0度から5度付近が最も老化しやすいので、冷蔵庫やチルド室では老化を促進してしまいます。保存する場合は必ず冷凍庫を選びましょう。
 冷凍によって変化しやすいのは脂質とビタミンです。冷凍中、脂質は酸化してしまうことが多く、酸化しやすい食品には多価不飽和脂肪酸を含む魚類などが挙げられます。またビタミンの中でもビタミンCは、マイナス18度以上だと保存中の減少が早いことが分かっています。冷凍保存する場合も長期保存し過ぎないよう注意が必要です。
 家庭での冷凍での注意点は、まず、家庭での冷凍に適する食品を選ぶこと。パンやご飯などのでんぷん性の物や、煮豆など味が濃厚で水分の少ない物、スープ、ソース類などが挙げられます。魚や肉は加熱調理してから、野菜はブランチング(加熱処理)してから凍結した方が良いでしょう。凍結するときは、1回の使用量ごとに分けて薄い形に成形し、密閉容器に入れましょう。凍結方法を工夫し長期保存には注意しながら、上手に活用していきたいです。

「まごはやさしい」で栄養バランスを整える

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 一汁三菜が基本の日本食は、タンパク質、炭水化物、脂質のバランスが良い理想的な食事スタイルといえます。この一汁三菜は安土桃山時代に千利休が確立した茶懐石の献立が元となっているともいわれ、長く愛されてきた日本人の食文化です。しかし、最近では食の欧米化が進み、日本人の栄養バランスも崩れてきているといわれています。だからこそあらためて見直してほしい一汁三菜、そしてもう一つ意識してほしいのは「まごはやさしい」です。
 「まごはやさしい」とは、意識的に取り入れたい食材の頭文字を取ったものです。「ま」は豆類。豆類は食物繊維が多く特に大豆は良質なタンパク質源です。「ご」はゴマ。ゴマはミネラルを豊富に含み、必須アミノ酸もバランス良く含まれ、不眠予防にも効果があるといわれています。ぜひすりごまとして取り入れてほしいです。「は」はワカメです。ミネラルを豊富に含み、表面のぬるぬるした成分であるアルギン酸は、体内の余分なナトリウム、コレステロールを排出する作用があるといわれています。「や」は野菜。緑黄色野菜や根菜類などいろいろな種類を食べるよう意識したいです。「さ」は魚。脳を活性化するDHAやEPAが多いイワシやサバ、マグロなどの他、カルシウムが豊富な小魚もお薦めです。「し」はシイタケ(きのこ類)。きのこ類はビタミン、食物繊維が豊富です。「い」は芋類。でんぷん、食物繊維、ビタミン、ミネラルが含まれており、芋の種類によっても異なるので、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ヤマイモなどバランス良く食べたいです。
 これらはどれも日本らしい食材です。日本食の基本、一汁三菜を「まごはやさしい」を意識した食材で調理すれば、とても栄養バランスの良い食事になります。献立を考えるときに、「まごはやさしい」を思い出していただけたらうれしいです。


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