私の食育日記

体を中から温めよう 

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 本格的に寒い季節がやって来ました。それでも、わが子の幼稚園ではできるだけ薄着が基本。気温が15度になっても半袖で登園することもありますし、真冬でも長袖のインナーは禁止です。特に、秋にはできるだけ半袖で登園させてくださいと言われていました。これは、冷たい空気を素肌で浴びることで、子どもの体が季節の変化を感じて、自らの体を温めようとする力が働き、寒さ暑さへの対応力が身に付いていくそうです。わが子にも、厚着や暖房に頼り過ぎず、自らの力で体を温める強さを身に付けてほしいと思います。
 食べ物にも体を中から温める力があります。代表的なのが、冬の旬であるレンコンやゴボウ、ショウガなどの根菜です。根菜は体を冷やす水分が少なく、血行を促進してくれるビタミンや、代謝を高めてくれるミネラルが豊富に含まれる物が多いためです。また、ニンジンに多く含まれるビタミンAは粘膜を正常に働かせる力があり、抵抗力を高めてくれます。これら根菜は、長時間加熱が向いている物が多いので、寒い時期、スープやみそ汁を作るとそれだけでぽかぽかメニューになります。またみそや塩こうじなどの発酵食品も血行を促進し、体を温めてくれます。さらに、人間は免疫力の約70%が腸にあるとされています。そのため、腸の調子を整えてくれる発酵食品や食物繊維をしっかり取ることが免疫力を高めることにつながるので、風邪をひきやすい冬には意識的に使うようにしています。
 免疫力を高めてくれる栄養にビタミンDがあります。これはきのこ類やサケなどに多く含まれますが、食事から摂取できるのはわずか。主に太陽の光を浴びることで、体内で作られます。寒い冬こそ、子どもたちには、中からしっかり体を温めて、外で元気いっぱいに走り回り、寒さに負けない体をつくってほしいと思います。

旬を楽しむ季節風呂 

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 春夏秋冬の四季があり、季節ごとにおいしい食の旬があるのは、日本の魅力的なところです。そしてもう一つ日本といえばお風呂。私は温泉が大好きで温泉ソムリエという資格を取得し、温泉の楽しみ方を広めていく活動もしています。
 四季を大切にする日本は、お風呂でも四季を楽しみます。有名なのが冬至に入るゆず湯。お風呂にユズを浮かべてとってもいい香り。子どもたちも大はしゃぎです。ゆず湯に入ると風邪をひかないと言い伝えられています。これはユズに含まれるリモネンがリラックス効果とともに血行を促進する効果があるとされ、体を温め、冷えを防いでくれることからいわれています。
 ゆず湯の始まりは、ユズが旬である冬の「冬至」と「湯治」を掛け合わせたという説もあって、日本人の旬を大切にする文化がうかがえます。この冬至にゆず湯に入るという習慣は江戸時代ごろから始まったそうですが、季節の旬の植物をお風呂に入れるという習慣はさらに昔からあったといわれています。
 今でも、ゆず湯の他に、端午の節句のしょうぶ湯も有名です。他にも月ごとに季節風呂というものがあります。寒い2月は、干したダイコンの葉を入れる大根湯。干したダイコンの葉には、塩化物や硫化イオンが含まれ、まるで温泉のようです。わが家では冬に喉がイガイガして風邪の気配があると、ダイコンに蜂蜜を入れてしばらく置いた物をお湯で溶いて飲んでいます。旬の野菜には中からも外からも体を元気にしてくれる力があるのですね。
 季節風呂には他にも1月の松湯、10月にはしょうが湯、11月はみかん湯などがあります。冬は体を温める効果がある物、夏は発汗を抑える物と、その時期の体調に合わせた内容になっているのもすごいところです。
 最近では1年中食べられる野菜も増えてきましたが、旬を大切にし、四季を感じる力だけは、子どもたちにも養ってもらいたいと思います。

電子レンジ調理

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 毎日のご飯作りの助けとなってくれるのが、電子レンジです。お鍋を出して、お湯を沸かしてゆでて、と作業するよりずっと簡単に調理できます。私も子どもたちの温野菜や、あえ物などのプラス1品は電子レンジ調理でさっと済ませています。
 電子レンジは米国で商品化され、1970年ごろから日本でも販売されるようになりました。電子レンジとは庫内からマイクロ波を出し、食品に吸収されたマイクロ波の振動に連動して食品中の水分子が誘電分極し、これにより食品の中で発熱するという仕組みです。難しい話になってきますが、要は食品に含まれる水分を使って自ら発熱しているのです。そのため、加熱する物の水分が重要な役割を果たしてきます。
 野菜を軟らかくするのにも便利なレンジ。例えば、ジャガイモを電子レンジで加熱するとき、簡単に軟らかくできますが、加熱し過ぎると硬くなることがあります。これはゆでるのと違って電子レンジ調理の方が、急激に温度が上昇するため、水分の蒸発が盛んになってしまうからです。特に少量の調理の場合は加熱のし過ぎに注意が必要です。また、体積の大きい物は内部にマイクロ波が到達しにくく、表面だけが高温になり、加熱むらができやすいので、私は、ジャガイモは切ってから耐熱容器に入れ、少し水も加えて電子レンジ調理しています。
 食塩を含む物を加熱すると周辺部分に電磁波が集中しやすくなり、加熱むらが生じやすくなります。ソースなどを作るときは、味を調える塩・こしょうはレンジ加熱の後に、また、炒めタマネギをレンジで作りたいときは、耐熱容器にタマネギに油と、塩ではなく少しお砂糖を入れて加熱しています。
 料理の一手間をちょっと電子レンジに頼るだけで、簡単に短時間で済ますことができます。レンジの特徴を知っておけば使うタイミングを自分なりにアレンジできますね。

野菜の追熟

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 果物が大好きな子どもたちは、マンゴーやキウイフルーツを買ってくると、香りをかいだり、触ってみたりして、「もう少し置いておこう」とか「そろそろ食べ頃だよ」と、うれしそうに教えてくれます。この収穫後室温に置いて、より熟させていくことを、追熟といいます。
 追熟させて食べる果物として代表的なバナナは、未熟なうちに収穫します。収穫時は、でんぷんが20%ほど存在しますが、20度ほどの室温で成熟させた頃にはでんぷんはわずか1%ほどにまで減り、糖が20%まで増加します。また、バナナに含まれるポリフェノールは未熟のときは渋味になりますが、成熟後は不溶性になるので渋味を感じなくなります。
 このように追熟した方が良い果物は、他にもメロンやスモモがあります。また、甘夏やハッサクなどのかんきつ類も少し置くことで酸味が減り甘味が感じやすくなります。実は、果物だけでなく、取れたてがおいしいというイメージの野菜の中にも、追熟させた方がおいしく食べられる物があります。
 その一つがサツマイモです。以前、焼き芋好きの息子のために「やきいもファクトリーミュージアム」という所に行きましたが、そこでも、収穫してから湿度管理をした室温30度ほどの貯蔵倉庫で保存をしていました。これは、貯蔵することで、サツマイモのでんぷんがβ‐アミラーゼの働きで糖に分解され、甘味が増していくからです。このβ‐アミラーゼはカボチャにも含まれるため、カボチャも貯蔵することで甘味が増します。
 秋になるとわが子の幼稚園では毎年サツマイモ掘りに行きます。帰ってきて、「取れたてのサツマイモだよ」と喜んでいた息子ですが、「サツマイモは収穫したてより少しお休みさせてからの方が甘くなるよ」と言うと、毎日毎日新聞紙にくるまれたサツマイモをのぞき込んで、もう甘くなった? 今日は食べられる? とわくわくしていました。


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