私の食育日記

フライパンの種類 

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 小さな子どもがいると、外食は気を使うし大変。食事はほとんど家で食べます。大人と子どもの物を分けて作ることも多く、一日中食事作りに追われています。そんな忙しさは、わが家のフライパンたちも同じ。使っては洗われ、またすぐ使われるという日々なのですぐに劣化してしまいます。そこでフライパンについてあらためて見直してみました。
 フライパンは材質によって種類を分けることができます。今使っているのは最も一般的なアルミニウムの表面をフッ素加工したフライパンです。アルミニウムの特徴はとにかく軽いこと。鉄鍋の3分の1の重さです。さらに熱も伝わりやすくすぐに温まります。しかし、融点が低くじか火にはあまり適さず、表面もくっつきやすいので、何らかの素材でコーティングされている場合が多く、それが剥がれてしまうことで使いづらくなってしまいます。
 中華鍋などで多く使われているのは鉄です。鉄は融点が高く丈夫なので、じか火に強く、高温調理に向いています。炒め物は、鍋や材料が低い温度になってしまうと食材の水分が出てしまい、うまくできません。本格的な炒め物が作りたいときは鉄鍋が向いています。しかし、鉄は重い。大きい鉄鍋を買って重くて回せなかったという経験があります。使えば使うほど油なじみして使いやすくなるのも鉄鍋の特徴です。
 銅製のフライパンもあります。私は卵焼き用に銅製のフライパンを使っていますが、とにかく熱が伝わりやすいため、均一にきれいに焼き上げることができます。しかし、銅は衝撃に弱く、酸やアルカリにも弱いので、調理後はすぐに食材を取り出さないといけません。
 他にもステンレスやチタンなど、さまざまな種類があります。用途や、自分の料理スタイルによっても求める物は変わってきます。一日中料理をしている今の私は、鉄鍋にチャレンジして、使いやすくなっていく過程も楽しんでみようと思います。

好みのトマトを探して

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 私の家族はとにかくトマトが大好きです。一年中食卓にトマトが並ばない日はありません。たとえその日がお鍋であろうと、トマト煮込みであろうと、カットトマトは必ず出すのが習慣です。トマトはそのままが一番おいしいと言って、サラダに混ぜることすら嫌がります。結果、毎食サラダとカットトマトがそれぞれで登場します。
 実はトマトには昆布だしと同じうま味成分であるグルタミン酸が含まれています。欧州では古くから、日本のおだしのようにトマトが調味料として使われてきました。それを思うと本当にトマトはそのままで十分なのかもしれません。
 さらに最近ではトマトの種類が増え、たくさんの味が楽しめます。その中でも糖度8度以上のフルーツトマトはたくさん見掛けるようになりました。日本のトマトで最も一般的な桃太郎系の糖度が5・8度ほどだそうなので、それ以上に甘く、まさにフルーツのようなトマトです。また、酸味のある種の周りのゼリー状の部分を少なくし、甘味を強く感じられる品種も出ています。とにかく甘くなるトマト、これからは、トマトは野菜ではなく果物のような存在になっていくのかもしれません。
 切るだけで人気の一品になってくれる優秀なトマトですが、栄養も豊富。ビタミンCやカリウムも多く含み、赤い色を作っているリコピンは抗酸化作用があるため、がんの予防効果もあるとされています。
 甘いトマトが増えている今日ですが、実はわが家ではその流れとは逆に酸味の強いトマトが人気です。完熟手前のファーストトマトが好きですし、2歳の娘はトマトの種の周りのゼリー状の部分が好きです。このトマトの種の周りの部分、酸味はありますが、栄養も豊富。ならば、ゼリー状の部分がたくさん含まれるトマトを探してあげたい。そこで好みのトマトを探して八百屋さん巡りをしています。トマトが旬の夏はわくわくする季節です。

おふくろの味とは

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 先日、私の友人が住むシンガポールへ遊びに行きました。4歳と1歳の子どもたちにとっては初めての海外です。そんな中一番不安だったことが子どもたちの食事です。友人によると、シンガポールの食事は特に癖もなく、日本人好みの物が多いとのこと。確かに、しょうゆで鶏肉を煮込んだ物や、焼きそばのような物など、日本食に似ていて食べやすい。それでも、子どもたちにとっては日本食とは違ったようで、あまり食べず、友人が自宅で作ってくれたおにぎりやパン、煮物などを食べていました。
 そもそも人がおいしいと感じる要因にはその食べ物の味やにおいの他に、その個人が経験してきた特性や食べるときの環境も含まれることが分かっています。つまり、初めての海外旅行で外国の方に囲まれて食べる緊張感や、初めて食べる料理だという先入観がおいしいと感じる力を弱めてしまっている可能性があります。
 しかしながら、日本のおにぎりや煮物を食べたがる子どもたちを見て、1歳の娘に関してはまだ離乳食を開始して1年ほどしかたっていないにもかかわらず、すでに食べ慣れている味、おふくろの味というものが確立しているのだなと感心しました。
 このおふくろの味。何となく懐かしい味、ほっとする味にこの言葉が使われます。これは、幼い時期に自分が守られ、安心して食事をしていたときに食べた味に対して感じるといわれています。母乳に含まれるうま味成分ではないかとの話もありますが、日本においては、離乳食を開始した頃、おかゆや野菜のペースト、そしてそれをおだしで溶いた物をあげるのが一般的です。なので、やはりおふくろの味の正体は、おだしなのではと思います。
 最終日にはかけうどんが食べたいと言いだした息子。毎日食べている昆布とかつおの混合だしがおふくろの味として身に付いているのだなと少しうれしくなりました。

食育とは何だろう 

食育インストラクター●岡村麻純/JA広報通信より


 大学の卒業論文のテーマは食育。食育について普通よりは勉強してきたはずの私ですが、母親になり、子どもたちの食事を毎日作っていると悩むことばかりです。硬いと言って息子がお肉を食べないとき、夫に「かむ力が足りないと体にも脳にも良くないぞ。もっと硬い物を食べさせないと」と注意されると、「そんなことは私がよく知っている!」とけんかになることもあります。厳しい夫に、「何より楽しく食事をすることが大切だよ」と諭すこともあります。そこでふと、そもそも食育とは何だろう、私は何を学んでほしいのだろうと考えることがあります。
 政府は、食育とは「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる力を育むことと記しています。健全な食生活とは、主に、栄養バランスの良い食事、リズムの整った食生活といえます。この生きる上で必要な基本的なことをわざわざ学ばなければならないのは、食べ物があふれる裕福な暮らしになったからです。生きていくのにぎりぎりの食べ物しか手に入らなければ、食べ物を選択することすらできません。食べ物がなければ、そもそも決まった回数食事をすることもできません。
 そんなふうに考えていたら、私が子どもたちに学んでほしいことはただ一つ。食べられるということへの感謝です。現在も世界には飢餓で亡くなる子どもたちがたくさんいます。それを思うと、お菓子ばかり食べて夕食を廃棄するなんてできるはずもありません。好き嫌いはしないでと言うのも、食事中に肘は突かないで、と怒るのも、全ては食を大切にする心を身に付けてほしいからです。この飽食時代の子どもたちに食べ物の大切さを伝えることはとても難しいことです。まずは大人が食への感謝を忘れなければ、「これ食べたくないからあれ買って」、そんな子どもの言葉につられそうになっても、踏みとどまることができるのではないでしょうか。そこから食育が始まります。


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